ベトナムのぼったくり手口と対策|タクシー・飲食店の事例


ベトナム旅行では、タクシーやレストラン、市場などで、外国人旅行者を狙ったぼったくりに注意が必要です。特に初めてベトナムを訪れる人は、現地の物価や料金相場が分からず、不当に高い金額を請求されても気づかないことがあります。
ここではベトナム旅行で注意したいぼったくりの手口と事例をベトナム在住歴15年のライターが詳しく解説。また、ベトナム滞在中にぼったくり被害を防ぐための対策や、実際に高額請求されたときの対処法を解説します。
【結論】
- ベトナムではタクシー・飲食店・市場・スパなどで料金トラブルに注意する。
- 移動や飲食、サービスの利用前に料金と追加費用の有無を確認する。
- ぼったくりに遭った場合は、無理に争わず身の安全を優先する。
ベトナム旅行でよくあるぼったくりの手口と事例

ベトナムのぼったくりは、タクシーやバイクタクシーなどの交通機関だけでなく、レストラン、市場、スパ・マッサージ店など、旅行者が利用するさまざまな場所で発生しています。
手口は、最初に提示した料金と異なる金額を請求するものから、料金の単位を分かりにくく表示するもの、追加サービスを理由に高額な支払いを求めるものまでさまざまです。
ここでは、ベトナム旅行者が特に注意したい7つのぼったくりの手口を紹介します。
タクシー|不正メーターや偽Grabによる高額請求
ベトナム旅行で特に注意したいのが、タクシーのぼったくりです。代表的な手口は、通常よりも速く料金が上がる不正メーター(通称ターボメーター)や、正規のタクシー会社に似せた車両を使って、旅行者に高額な運賃を請求するものです。
近年は配車アプリ「Grab」の普及に伴い、Grabの運転手を装った客引きにも注意が必要です。特に空港や観光地では、スマートフォンの画面を見せながら近づき、予約した車とは別の車両に案内しようとするケースがあります。
こうした車両に乗ってしまうと、降車時にアプリの表示額とは異なる料金を要求されるおそれがあります。正規のGrabを利用していても、運転手から別途支払いを求められた場合は、その理由を確認する必要があります。
バイクタクシー・シクロ|料金の後出しや追加請求
ベトナムでは、バイクタクシーや観光用の三輪自転車「シクロ」でも料金トラブルが起こることがあります。特に路上で直接交渉する場合は、料金が1人分なのか全員分なのか、片道なのか往復なのかが曖昧になりがちです。
例えば、乗車前に安い料金を提示しておきながら、目的地に到着すると「1人当たりの料金だった」「途中の観光案内は別料金」などと説明し、追加の支払いを要求する手口です。
シクロはハノイやホーチミンなどの観光地で見かけますが、観光サービスとしての料金設定は一般的な移動手段とは異なります。単に料金が高いだけでぼったくりとは限らないため、合意した内容と実際の請求が一致しているかが判断のポイントです。
市場・露店|観光客向けの高額販売と釣り銭トラブル
ベトナムの市場や露店では、商品に値札が付いておらず、店員の言い値から値段交渉をして決める商習慣がいまでもあります。店員の言い値が相場より高いからといって、ぼったくりというわけではありませんが、それでも相場の数倍吹っ掛けてくるケースは、明らかにぼったくりと言えます。
また、ベトナムドンは紙幣の桁数が多く、また紙幣の色も似ています。それ利用して、店員が騙すこともあります。
海鮮レストラン|時価や重量による料金トラブル
ベトナムの海鮮レストランでは、水槽にいる魚やエビ、カニなどを選び、その場で調理してもらうスタイルが人気です。一方で、メニューに「時価」と書かれていたり、重量によって料金が変わったりするため、注文方法によっては高額な会計になることがあります。
例えば、一皿20万ドンと思って注文した海老が、実は100g20万ドンだった場合。または1kg20万ドンと認識していたものの、実は100g20万ドンだった、なんてこともあります。
もちろん、ロブスターや大型のカニなどはもともと高価な食材です。高額な会計がすべてぼったくりとは限りません。問題になるのは、料金や重量について事前の説明と異なる請求をされた場合です。
海鮮レストランが多いダナンの飲食店で注意したい料金トラブルについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶ダナンのぼったくりレストラン事情と注意点はこちら
カフェ・飲食店|注文前の説明と異なる料金請求
ベトナムのカフェや大衆食堂でもぼったくりに注意が必要です。
ローカルカフェや食堂はメニューを見ないで注文することがよくあるため、ベトナム人でもぼったくりに遭うことが時折あります。特に外国人旅行者はターゲットにされやすいので、ジュース一杯であっても値段を聞いてから注文するようにしてください。
スパ・マッサージ|チップの強要や追加料金のトラブル
ベトナムのスパやマッサージ店で旅行者がぼったくりに遭いやすいのが、施術料金とチップの関係です。ベトナムではマッサージ後にチップを渡す習慣がありますが、チップが施術料金に含まれているお店もあれば、別途支払う仕組みのお店もあります。
注意したいのは、相場以上のチップを要求されたり、希望していないオプション料金が勝手に加算されたりするケースです。施術中にセラピストが英語やベトナム語で話しかけてきて、よくわからずに相槌を打っていたら、オプションメニューをつけられた、といった報告があります。
バー・カラオケ|客引きから高額請求につながる手口
ホーチミンなどの繁華街では、路上の客引きに案内されたバーやカラオケ店で、高額な料金を請求されるトラブルにも注意が必要です。特に、知り合ったばかりの人物から飲食店に誘われた場合は、料金体系が分からないまま入店しないよう警戒する必要があります。
代表的な手口は、飲み物を注文しただけのつもりでも、同席者の飲食代や接客サービス料、個室料金などが会計に加算されるものです。最初に案内された料金と最終的な請求額が大きく異なり、支払いをめぐってトラブルになることがあります。
こうした繁華街での料金トラブルは、日本の在外公館からも注意喚起されています。特に深夜や飲酒後は冷静な判断が難しくなるため、料金の分からないお店や強引な客引きには注意してください。
ベトナムでぼったくりに遭わないための対策

ベトナム旅行中のぼったくりは、料金の確認不足や言葉の壁につけ込まれるケースが少なくありません。現地の物価を把握し、利用前に料金やサービス内容を確認することで、多くのトラブルを回避できます。
ここでは、旅行者が実践できる4つの対策を紹介します。
ベトナムのぼったくり防止カードは使う
ぼったくり防止カードとは、料金トラブルを防ぐための注意事項や現地語のフレーズなどを記載したカードです。ただし、カードを提示するだけで高額請求を防げるわけではありません。料金は利用前に確認し、必要に応じて翻訳アプリや電卓を使って意思疎通を図りましょう。
なお、ぼったくり防止カードはホーチミン総領事館の以下ページからダウンロードができます。
▶ぼったくり防止カードのダウンロードページ
※在ホーチミン日本国総領事館のホームページへ移動
タクシーはGrabなどの配車アプリを利用する
ベトナムでタクシーのぼったくりを避けたいなら、配車アプリのGrabを利用するのがおすすめです。目的地を入力すると乗車前に料金の目安が表示されるため、運転手と直接料金交渉をする必要がありません。
ただし、Grabを利用する際は、アプリに表示されたナンバープレートと実際の車両が一致しているか必ず確認してください。運転手からアプリ外での支払いや予約のキャンセルを求められた場合も、安易に応じないようにしましょう。
空港では客引きの車に乗らず正規の乗車場所へ向かう
ハノイ、ダナン、ホーチミンの空港では、到着ロビーを出たところでタクシーや送迎車の客引きに声をかけられることがあります。旅行者に「Grabより安い」「予約した車はこちら」などと話しかけ、別の車両へ誘導しようとする場合もあるため注意してください。
飲食店や市場では注文・購入前に料金を確認する
ベトナムの市場や露店、屋台など、値札がない場所では、商品を受け取る前に金額を確認しましょう。口頭で説明された料金が聞き取れない場合は、スマートフォンの電卓に数字を入力してもらうと、金額の勘違いを防げます。
海鮮レストランでは、注文した魚介を量ってもらうときは、自分も一緒に量りを確認することもできます。ベトナム人もよくやる手法のため、失礼にはあたりません。
会計時は請求金額と釣り銭を確認する
ベトナムドンは桁数が多く、紙幣のデザインも似ているため、支払い時には注意が必要です。特に1万ドンと10万ドン、2万ドンと50万ドンなどを取り違えないよう、渡す前に金額を確認しましょう。
レストランでは、請求書に注文していない料理や飲み物が含まれていないか、数量や単価が正しいかを確認してください。複数人で食事をした際は、注文数を間違えて計上されている場合もあります。レシートに記載されている項目を1つずつ確認しましょう。
ベトナムでぼったくりに遭ったときの対処法

ベトナム旅行中にぼったくりに遭った場合は、まず身の安全を確保することが大切です。ここでは、実際に被害に遭ったときの対処法と相談先を紹介します。
高額請求されても身の安全を最優先する
相手が威圧的な態度を取ったり、複数人に囲まれたりした場合は、無理に支払いを拒否して争わないでください。人通りの多い場所やホテルなど、安全な場所へ移動することを優先しましょう。
身の危険を感じた場合は、その場で解決しようとせず、警察への通報やホテルスタッフへの助けを求めることも検討してください。料金を支払ってしまった場合でも、後から相談できるように記録を残しておくことが大切です。
レシート・料金表・車両情報などの証拠を残す
ぼったくり被害を相談する際は、実際にいくら請求され、どのような説明を受けたのかを示す資料が重要になります。レシートや領収書、メニューの料金表示、予約確認メールなどは捨てずに保管してください。
タクシーの場合は、車両のナンバープレート、会社名、乗車日時、移動経路を記録しましょう。Grabを利用した場合は、アプリに残る乗車履歴や料金明細のスクリーンショットも役立ちます。
レストランやスパであれば、店舗名と所在地、注文・利用したサービス、実際の支払金額を控えておきましょう。ただし、証拠を残すために相手を無断で撮影したり、危険な状況で撮影を続けたりすることは避けてください。
警察・配車サービス・日本大使館への相談方法
ぼったくり被害に遭った場合は、トラブルの内容に応じて相談先を選びましょう。タクシーやGrabの利用中に料金トラブルが発生した場合は、まず配車アプリのサポート窓口やタクシー会社に連絡し、乗車履歴と請求内容を伝えてください。Grabは英語でのサポートがあります。
悪質な料金請求や脅迫などの被害に遭った場合は、現地警察への相談も検討してください。ベトナム語で事情を説明するのが難しいときは、宿泊ホテルのフロントスタッフに事情を伝え、通訳や警察への連絡について協力を求めることもできます。
また、在ベトナム日本国大使館や在ホーチミン日本国総領事館では、日本人旅行者が事件やトラブルに巻き込まれた際の相談を受け付けています。ただし、在外公館が相手との料金交渉や返金請求を代行してくれるわけではありません。相談内容に応じて、現地の関係機関や必要な手続きについて案内を受けることになります。
まとめ|ベトナムのぼったくりは事前の料金確認で防ごう
ベトナムは人懐っこく親切な人が多く、旅行者にとって魅力あふれる国です。一方で、観光客の知識不足につけ込む悪質な業者が存在するのも事実です。大切なのは、ぼったくりを過度に恐れるのではなく、現地の物価や商習慣を知り、納得できるサービスを選ぶこと。少しの警戒心と事前の準備があれば、余計な不安を抱えず、ベトナムならではの食事や観光を存分に楽しめるでしょう。






