ハノイの治安と危険エリア解説！ホテルエリアのおすすめも紹介

ベトナムの首都ハノイは日本人旅行者に大人気の観光エリア。そこで気になるのが、現地の治安や危険エリア、おすすめのホテルエリアなど。東南アジアでトラブルに巻き込まれるのは避けたいところ。今回は旅行者向けに、ハノイの治安や危険エリアといった現地情報をご案内します。

ハノイの治安はいい。でも悪いエリアもたくさんある

ベトナムはテロや殺人と言った凶悪犯罪が少ない、比較的治安のいい地域です。女性の1人旅でも安心してすごせるので、ベトナムの首都ハノイへの旅行人気は近年高まっています。

ただ治安がいいと言っても貧富の格差は激しく、スリやぼったくりは日常的にあります。また、ハノイに限らず新興国というのは、エリアによって所得者層が異なり、同じハノイ市内でも治安が悪いエリアも多々存在します。ハノイに訪れる旅行者は近年行動範囲が広くなっているので、治安の悪いエリアやホテル滞在エリアに適さない場所は、必ず覚えておくようにしましょう。

旅行者全員が訪れる観光の中心「ホアンキエム湖」の治安

ハノイの中心にあり、市民の憩いの場にもなっているホアンキエム湖は、観光の主要スポットに近く、観光の拠点にするのにも便利な場所です。観光客も多く、ハノイの中でも比較的に安全と言える場所です。特にホアンキエム湖周りの遊歩道は夜遅くまで人通りが多いですし、ライトアップで通りも明るいため、犯罪はそれほど多発しません。

ただタンロン水上人形劇の近くや人通りの多い所では、知らない間にカバンの中から財布や携帯だけ無くなっていることも多いです。カバンを開けっ放しにしたり、荷物をちょっと横に置いてただけでもスリの被害には合うので注意が必要です。

「旧市街」の治安は悪い？夜の女子一人歩きは危険

観光客が多く、ハノイ市内の最大の繁華街と呼ばれている「旧市街」。多くの観光客が行き交うので、明るいうちは安全なエリアと言えます。ですが町中で写真を撮るのに夢中になりすぎてると、その隙に財布を抜き取られていることもあることは覚えておきましょう。

また、お土産など手荷物がいっぱい持ってる状況も狙われやすいです。旧市街の繁華街中心であれば、夜も引き続き治安はいいですが、路地中や端っこエリアなどは酔っ払いが多く、女子だけの散歩は避けてください。また、旧市街といっても観光客が多く行き交うエリアは南部エリアのみとなり、それ以外は夜になると静まり返って、現地の不良が歩きまわっていることもあります。

ハノイ旧市街でホテル選びはおすすめできる？

ハノイ旧市街エリアのホテルに宿泊する場合は、なるべく南側の観光エリア周辺のホテルを選ぶといいでしょう。中心よりも北方は人の気配が途端になくなりますので治安も悪くなる上、観光エリアからも外れます。

また、週末の金曜から日曜は旧市街にてナイトマーケットが開催され、大変多くの人込みで大渋滞します。ホテルに戻るのも一苦労するので、もしかすると滞在先のホテルに旧市街を選ぶ魅力はあまり感じられないかもしれません。

一時的に治安が悪くなる。「ナイトマーケット」はスリに気を付けよう

ホアンキエム湖の北側の旧市街のハンガイ通り〜ドンスアン市場辺りでは、毎週金曜から日曜日の夜にナイトマーケットが開催されます。地元の人と観光客でいつも賑わっている観光スポットで、ナイトマーケットの中では市内最大級。だからこそ、ひったくりやスリにとっては格好の場所でもありため、場合によっては治安は悪いと言えます。カバンを開けっ放しにしていなくても、カバンをナイフで切って、中身だけ取られていることもあります。

またナイトマーケットで食事を楽しんでいる時に見知らぬ人に親しく話しかけられて、気づいたら携帯や財布を盗まれてたということもあります。被害に合わない為にはには荷物を最小限にし、必要なお金だけを持って出かけるのが無難です。

旧市街で最も賑わう「ターヒエン通り」では違法行為の誘いに注意

ハノイの旧市街の中にあるターヒエン通りは昼間は物静かですが、夜になるとビールバーが数十並びます。横の人にもぶつかりそうな狭い路地で飲んでいると、初対面の人とも意気投合しやすい場所です。

ただ仲良くなったからと気を許して一緒に飲みに行くと、違法賭博の誘いやぼったくりバーに連れて行かれる恐れもあります。また貴重品の盗難も多いので気をつけて飲んで下さい。若者よりも中年に注意してください。

ハノイで最も治安が悪い？「ロンビエン橋」

旧市街と空港の間にあるホン川に架かるロンビエン橋は、ハノイの歴史ある橋で美しい曲線からエッフェル塔を横にしたようだとも言われています。そのためインスタグラム映えもするので若者に人気の観光地になっています。

ただ、このエリアはアルコール中毒者や薬物中毒者がたむろしていることがあり、売人も多く治安が悪いエリアとして知られています。使用済みの注射器が転がっていることもあるので、サンダルでは行かないで下さい。夕方からは一段と治安が悪くなるので、極力近寄らないようにしましょう。ただ、近年は政府による浄化作業もあり、徐々に平和になっているようです。

また、ハノイと言えばバイク！と言うほどたくさんのバイクが走っています。歩いている際にすれ違ったバイクにカバンごと持っていかれることも多く、バックを持つ際はバイクと反対側に荷物を持つなど注意して下さい。

マリファナや賭博の勧誘に注意。外国人が集うエリアも治安は悪い「ゴーフィン通り」

ハノイ大教会のすぐ脇に広がるのはバックパッカーエリア。その目貫き通りであるゴーフィン通りは、安い宿が建ち並び、バックパッカーに人気の通りです。観光客が多いのでお店も遅くまで開いています。

治安も他の国のバックパッカーが集まるエリア比べて良いです。それでも違法の勧誘を受けたり、マリファナを売ってくるおじさんがいたりと、一定の注意は必要です。また、どの国でもそうですが、多人種多国籍が集まるエリアは、往々にして治安が悪くなる傾向にあります。こちらも女子の一人歩きはあまりおすすめしません。

ハノイの治安のいいエリアはどこ？ホテル探しの基準に

ハノイ旅行者がホテル探しをするさいのおすすめエリアは、やはり治安がいいところであり、観光エリア内となります。そこでおすすめしたいホテルエリアは下記となります。

• ホアンキエム湖周辺
• タイ湖周辺

ホアンキエム湖は観光エリア中心であり、湖沿いには有名な5つ星ホテルが並び、いずれも日本人旅行者に人気があります。一方、タイ湖はホアンキエム湖からタクシーで15分程度北上したエリアとなり、ベトナム人富裕層や外国人が多く暮らす美しい町並みとなります。5つ星ホテルではインターコンチネンタルやシェラトン、パンパシフィックなどが建つほか、西湖府や鎮国寺といった観光名所もあります。

ハノイの治安は良い方。ただし自己管理はしっかりと

上記エリア以外でも、人通りの少ない場所は治安が悪い傾向にあります。また、タクシーに乗っていて、伝えていたホテルと違う場所に連れて行かれて、そこのホテルに宿泊したが為に非正規の料金を請求されたり、目的地へ遠回りされたりとトラブルが絶えません。ノイバイ空港から市内中心部までは400,000VND〜500,000VND程です。もしホテルの予約をしているのなら空港からホテルまでの送迎サービスを付けてた方が安心です。

Writer／この記事を書いた人

古川 悠紀
トラベルライター

大学卒業後、日本で販売店営業、外資（米国）メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム（アルク出版）」、「複住スタイル（英和出版）」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。