子供連れファミリーで！ホーチミンの「歴史博物館」
ホーチミンの市内観光では、博物館や教会、市場などが見どころとなる観光スポットですが、「小さな子供も楽しめる」となると、ちょっと首をひねってしまいます。そこでご案内したいのが、ホーチミンの市内中心にある「歴史博物館」です。
ベトナムの通史だけでなく、伝統芸能の水上人形劇やミイラ、陶器や絵画などがたのしめる博物館となり、さらに隣には動植物公園が広がる抜群の立地です。子供と一緒に訪れてみてください。
市民劇場（オペラハウス）からタクシーで10分
「歴史博物館」は、聖母マリア教会の裏を左右に通るレユアン通りの最東端にあります。ベトナム最古の動物園である「サイゴン動植物園」に隣接しているので、小さな子供連れファミリーの旅行者は、歴史博物館を見学したあとに遊んでいってください。
世界でも250頭しかいないホワイトタイガーのほか、ゾウ、トラ、ライオン、カバ、サイ、キリンといった大型な動物もたくさんいて見ごたえがあります。
地図で確認
インドシナ様式の歴史ある建築物
歴史博物館は、東洋と西洋の折衷であるインドシナ様式の建築物となります。設計を担当したのは、フランス人建築家オーギュスト・デルヴァル（Auguste Deleval）。この建物が彼の代表作となっています。
1926年から1928年にかけて建てられたもので、当初はフランス極東学院（EFEO）管轄の「東洋研究会博物館」という名称でした。もともとは、ベトナムの植民地時代に設立された、ベトナムの歴史学や考古学の調査・研究の基礎を築いた公共研究機関だったのです。
その後、建物の名称は何度か変わり、1979年に今の名称に落ち着きました。現在では、国家級遺産に指定されている、建物自体も価値がある博物館となっています。クリームイエローの外観が落ち着きを醸し出している建物です。
数多くの展示室を擁する大規模な博物館
この「歴史博物館」には、サイゴン動植物園側とグエンビンキエム通り側の2つの入口があります。入場料を払って館内に入っていきます。館内で写真の撮影をする場合には、別途料金が必要となっています。
グエンビンキエム通り側から入ると、そこに広がっているのは中庭です。ここは風通りがよく、池もあるのでとてもリラックスできる空間。
博物館横にはカフェスペースもありますし、石段を上がった別館にはベトナム料理レストランも営業しています。
中庭から入ってすぐのところには、企画展示室。ここの展示は、定期的にテーマが変わります。
企画展示室をぬけると、そこは円形の部屋。この部屋には、見上げるほど大きなホーチミンの銅像が建てられています。天井からは明るい光が差し込んでいて、歴史の重厚さを感じさせる雰囲気のある空間。
この円形の部屋を起点として、数多くの展示室を見学していくことになります。この博物館のなかには、企画展示が2室、常設展示が16室、18〜19世紀のキャノン砲が置かれている野外展示が1カ所があります。
ベトナムの通史から少数民族、伝統芸能まで網羅！
この「歴史博物館」に展示してあるのは、石器や陶器、調度品や絵画など。これらの数多くの展示によって、先史時代から王朝時代、そして現代にいたるまで、ベトナムの歴史の流れに詳しく知ることができるようになっています。
常設展示のなかでも、1869年に亡くなられたチャンさんのミイラが展示されている部屋と、ベトナム中南部のチャンパ時代の部屋、メコンデルタ地方のオケオ時代の部屋は、ほかの展示室と比べてかなり盛りだくさんの内容に。
それぞれの時代を説明した部屋以外にも、ベトナム南部とアジア諸国の特徴をテーマ別に展示された部屋も。アジア諸国の仏像が展示されているコーナーには、日本のものもあります。また、ベトナム各地に暮している少数民族に関する展示も充実しているのも、この博物館の特徴のひとつ。
ベトナムの伝統芸能「水上人形劇」を観劇
水上人形劇といえばハノイのタンロン水上人形劇場が有名ですが、歴史博物館でも1日6回上演されています。ハノイや統一会堂近くのゴールデンドラゴン水上人形劇場（ロンヴァン水上人形劇場）と比べると、音楽も録音で舞台も小規模。約20分くらいの短い内容ですが、昼間の観光としてはちょうどいい長さですので、時間が合えば是非こちらも見逃さないでください。
歴史博物館は動植物園とセットで行こう！
ホーチミン市内の博物館といえば、だいたいがベトナム戦争関連となるので、ちょっとお腹いっぱいになっちゃいますよね。そんなときに歴史博物館は純粋に楽しめる博物館でおすすめできます。
観光情報
歴史博物館 Museum of Vietnamese History
住所：2 Nguyen Binh Khiem St. Dist.1. Ho Chi Minh
営業時間：8:00～11:00 / 13:30～16:00
休館日：月曜
アクセス：市民劇場からタクシーで10分
Writer／この記事を書いた人
古川 悠紀トラベルライター
大学卒業後、日本で販売店営業、外資（米国）メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム（アルク出版）」、「複住スタイル（英和出版）」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。