ベトナムの世界遺産ホイアン旧市街を歩く。観光や楽しみ方をすべてご案内!

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ベトナムの中部世界遺産「ホイアン」は、17世紀に交易で栄え、1999年に旧市街がユネスコ世界遺産に登録。現在では中部旅行者のほとんどが行く人気の観光地となっています。今回は世界遺産に指定されたベトナムのホイアン旧市街をご案内します。初めてのベトナム旅行者は是非参考にしてください。

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目次

    世界遺産ホイアン旧市街までは、ダナンからタクシーで行ける!

    ベトナムの世界遺産「ホイアン旧市街」は、ベトナム中部のダナンからタクシーで40分のところにあります。ホイアン旧市街近郊には空港がないので、旅行者にとっての拠点はホイアンではなくダナンとなります。タクシー以外も路線バスで行くこともできますが、ベトナム語ができないとちょっと厳しいですね。

    それ以外では宿泊するホテルが4つ星、5つ星といった高級ホテルであれば、ホテル側で1日複数本のシャトルバスを運行していることもあります。無料か有料かはホテルによりますが、タクシーで行くよりは大分安くなるので、まずはレセプションに訊ねてみてはいかがでしょうか。

    garbタクシーはダナンにもたくさんある

    タクシーでホイアン旧市街まで移動する場合は、運転手に「ホイアン」と伝えれば、旧市街の入り口まで連れて行ってくれるはずです。

    また、最近ではGrabタクシーも使い勝手がよく人気があります。スマホにインストールしておけば、Grabタクシーを使える東南アジア全般で利用できるので非常に便利です。

    世界遺産ホイアン旧市街はタクシーの乗り入れが禁止

    ホイアン旧市街はユネスコ世界遺産となり、旧市街の中にタクシーやGrabは侵入することができません。そのため、タクシーで行っても旧市街の歴史保護地区の少し手前で降ろされます。おそらくレロイ通り、もしくはハイバーチュン通りのいずれかの交差点で降りることになりますが、どちらも一本道を南下するだけで、ホイアン旧市街に入ります。

    世界遺産に宿泊できる?ホイアン旧市街内のホテルに泊まりたい場合

    世界遺産ホイアン旧市街内のホテルに泊まりたい場合

    ベトナム中部旅行者の大半はダナンのホテルに滞在しますが、中には「ホイアン旧市街に泊まりたい」、「世界遺産の中で滞在したい」という人もいます。しかし、基本的に世界遺産に指定されているホイアン旧市街のエリア内にはホテルはありません。

    ただし、世界遺産から少しだけ外れたところや、ナイトマーケットがある周辺エリアにはホテルはたくさんあります。どちらかというとバックパッカーなどが利用する安宿が多く、日本人が満足できる高級ホテルを探すならば、レロイ通りを北上したところにある「アルマニティホイアン」が4つ星としておすすめです。

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    歴史保護地区は「旧市街」のみ。ホイアンのどこまでが世界遺産?

    ホイアン旧市街はベトナムの中部に位置し、1999年にユネスコ世界遺産に登録されました。ホイアン自体はもう少し広いのですが、世界遺産に登録されたのは旧市街の一部となり、ナイトマーケットが開催されるトゥボン川を挟んだ橋向こうや、観光客に人気のアンバンビーチやクアダイビーチなどは世界遺産のエリアには含まれません。

    かつてベトナム最大の貿易都市だった。世界遺産「ホイアン旧市街」の歴史

    かつてベトナム最大の貿易都市だった世界遺産「ホイアン旧市街」

    ベトナムのホイアンが栄えたのは17世紀初頭。貿易の中継地点として、日本、中国、オランダといった諸外国がこのトゥボン川を往来しました。1600年代といえば、日本では江戸時代、徳川幕府がはじまった頃。かの有名な徳川家康は、ここホイアンに朱印船を派遣していたことも分かっています。

    当時は世界のさまざまな国の人がホイアンに滞在して、自国の文化をこの町に落としていきました。それが最も顕著に表れているのが建築様式。日本、中国、ベトナムの建築様式が混在した旧家は、ベトナムのどことも似つかない独自の内外観となっています。

    ホイアン旧市街の中心には「日本橋」があり、こちらは日本人が設計、ベトナム人が建築した日越友好の証。2万ドン札にも描かれている由緒ある観光スポットとなり、名実ともに世界遺産ホイアン旧市街の象徴となっています。

    その日本橋から伸びているチャンフー通りがメインストリートとなり、並行して走るグエンタイホック通り、トゥボン川沿いのバクダン通り、縦に走るレロイ通り、ハイバーチュン通りなどが主な散策エリアとなります。

    ベトナムと日本はホイアン旧市街を通して、深い縁がある

    ベトナムと日本はホイアンを通して、深い縁がある

    先に説明したように、日本もホイアン交易時代当時は朱印船によってベトナムと交易をしていました。その過程で、日本人商人の多くがここホイアン旧市街に定着し、最大で1000人以上の日本人が暮らしていたとされています。日本橋を中心に東西に延びるチャンフー通りとグエンティミンカイ通りに、それぞれ日本町と中国人町が栄えていたとされています。

    ホイアン旧市街にある旧家は京都の建築様式を取り入れていて、主に支柱の配置や天井にその様子を見て取ることができます。

    世界遺産ホイアン旧市街の象徴である「ランタン」

    ホイアンの象徴ランタン

    日本人がホイアン旧市街を歩いていると、そこに広がる世界遺産の風景にふと懐かしさがこみ上げてきます。昔の日本家屋のような旧家はもちろん、いたるところに見かけるランタンや、毎夜開催される灯篭流しもその1つ。この2つは日本もしくは中国から伝来した習慣とされていますが、いくつか有力な説があり、詳細は分かっておりません。

    昼と夜の顔を持つホイアン旧市街。ベトナム世界遺産に浸るなら夜がおすすめ

    ホイアン旧市街は昼観光と夜観光の2部に分けることができます。

    昼のホイアン旧市街は、木造家屋の旧家やカラフルなランタン、中華様式の集会所や寺院の見学が主な観光方法となります。シクロ乗りや行商人、三角菅笠のノンラーをかぶった人など、ホイアン旧市街で暮している人びとの日常風景を眺めるのも観光の1つ。集会所や寺院、博物館は、一部を除いて17時30分から18時で閉館するので、それまでに一通りの観光は終えておきましょう。

    昼のホイアン旧市街観光の注意点

    昼のホイアン旧市街は、時期によってはとにかく暑いです。また、世界遺産に指定されているので改築はできないため、鎧戸の開け放たれた窓のおかげで冷房も効きません。そのため、暑さ対策は必須。UVカットクリームやカーディガンなど羽織るもの、虫よけスプレーに水分補給も欠かせません。

    夜のホイアン旧市街はランタンの灯りが川の水面も映り、昼とは打って変わって幻想的な雰囲気に包まれます。時間が静止したかのような光景を眺めながら、レストランや屋台でホイアン名物を頬張る時間もなかなかのもの。博物館や寺院は閉店していますので、町散策が観光のメインとなりますが、気温も下がっているので過ごしやすいので心配いりません。

    また、トゥボン川の橋向こうには毎夜開催されるナイトマーケットもおすすめの観光地。ナイトマーケットのあるエリアは世界遺産から外れているので、23時頃まで観光客でにぎわっています。ナイトマーケット周辺にはたくさんのレストランやカフェ、安マッサージ店などがあるので、そちらも利用するのもいいでしょう。

    夜のホイアン旧市街観光のポイントは「灯篭流し」

    日本橋とバクダン通り傍では、毎夜灯篭流しを体験することができます。日本橋のイルミネーションもあってフォトジェニックな光景にもたくさん出会えることでしょう。灯篭流しは50円程度で体験することができます。また、「灯篭流しってランタン祭りのときだけでしょ?」と誤解している観光客もいますが、灯篭流しは毎日開催しています。

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    世界遺産ホイアン旧市街のおすすめの観光方法

    日中観光を目指す方は、ホイアン旧市街を観光するためには、入場券の購入が必要となります。ホイアン旧市街には複数の入場口がありますが、世界遺産に入る前にチケット売り場があるので、そこで入場券付きの5枚綴りのチケットを購入することになります。この入場券には5つのホイアン旧市街の名所に入場できるチケットが付いていま。もし6箇所周りたい場合は、もう一度入場券を購入しなければなりませんので、できるだけ5箇所に留めておくようにしましょう。

    先に紹介したように、世界遺産の観光名所は18時頃には閉館してしまいます。ただし、カフェやレストランなどは引き続き営業していて、こちらは22時頃に閉店します。22時以降はナイトマーケットがあるエリアで過ごすといいでしょう。

    ベトナム料理とはちょっと違う!世界遺産旧市街でホイアン名物を堪能

    ベトナムの中でもホイアンは独特の食文化を持っている町としても知られています。ホイアン旧市街では「ホイアン3大名物」と呼ばれる料理を食べることができ、これらは隣町のダナンでも滅多に食べることができないので、見逃さないように、必ずホイアン旧市街の観光途中に食べておくようにしましょう。

    ホイアンの3大名物はカオラウ、ホワイトローズ、揚げワンタンとなり、いずれも日本人の舌に合うおいしい料理です。また、さらにベトナム中部名物の「ミークアン」と「コムガー」を合わせてホイアン5大名物と呼ばれることもあります。これらのホイアングルメは世界遺産の旧市街にあるレストランでセットで食べることができるので、すべて押さえておきたいところです。

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    ホイアン旧市街の夜散策なら屋台食堂を体験

    夜の帳が下りたころ、トゥボン川沿いには十数の屋台食堂がずらりと並びます。小さなテーブルイスに腰かけて、ホイアン名物やベトナム料理、屋台グルメを楽しむことができます。横を見ればトゥボン側とそこに浮かぶランタンを眺めることができ、時間が経つのも忘れるほど。腹ごしらえを終えたあとは、ナイトマーケットに顔を出しましょう。

    夕暮れ開催!ホイアンインプレッションテーマパークへ行こう

    夕暮れ開催!ホイアンインプレッションテーマパークへ行こう

    ホイアン旧市街のすぐ近くにある「ホイアンインプレッションテーマパーク」は、夕方15時から開催するエンタメ施設。日本、ベトナム、中国の文化体験ができるゾーンに分かれていて、各ゾーンには定時でイベントも開催。入場券がフリーパスとなっているので、すべて無料で見学することができます。

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    ダナン旅行で最大級の観光スポットが、ホイアン旧市街近郊にある「ホイアンインプレッションテーマパーク(Hoi An Impression Theme Park)」です。夕方開催なので、旧市街観光を終えたあとに向かうことができます。園内で開催するメモリーショーは最大のハイライトに。
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    ベトナム旅行で一番の思い出になるかも!「メモリーショー」を鑑賞しよう

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    また、ホイアンインプレッションテーマパーク内では、別売りチケットで「メモリーショー」を鑑賞することができます。ホイアンの昔から今を時代別に音と光、演劇で再現するショーとなっています。総勢500名のキャストが織りなす大スペクタクルです。

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    ベトナムで大人気の中部世界遺産「ホイアン旧市街」へ行こう

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    ベトナム中部世界遺産のホイアン旧市街の魅力と観光方法を今回ご案内しました。ベトナムの中部ダナン旅行者は、是非とも立ち寄っておきたい必見の観光地となります。

    Writer/この記事を書いた人

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    古川 悠紀
    トラベルライター

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    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとしてベトナムを中心に東南アジアの旅行・生活・経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。