国宝の戦車は必見!ハノイの「ベトナム軍事歴史博物館」

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世界でも最も残酷な戦争と言われているベトナム戦争を今に伝える、ハノイの観光スポット「ベトナム軍事歴史博物館」。当博物館には、たくさんの兵器や写真などが展示されていて、当時の状況をうかがい知ることができるようになっています。

欧米諸国とは別の観点から、ベトナムが独立を勝ち取るまでの長く苦しい歴史を知ることができるのも、この博物館の特徴のひとつ。また、ベトナム戦争を終結させた戦車も展示。現在では国宝に認定されています。さらに、博物館横には巨大な戦争オブジェが。ミグ21戦闘機や墜落した飛行機現場を再現したエリアは迫力満点。子供も楽しむことができます。

今回は「ベトナム軍事歴史博物館」の魅力をお届けします。

目次

    ベトナム独立までの戦争の歴史がわかる

    ベトナムは現在の独立したベトナム社会主義共和国にいたるまで、長く苦しい戦争の歴史がありました。その歴史を今に伝えているのが、この「ベトナム軍事歴史博物館」です。ここには、膨大な量におよぶ戦場での写真や遺物などが収められていて、戦争の歴史を浮かび上がらせています。

    その展示の内容は、戦闘機や戦車、大砲など。当時の状態のまま展示してあったり、実際に兵器が使われた状況なども紹介してあります。そして、その長く苦しい歴史の末、ベトナムの独立宣言にいたった経緯がわかるような仕組みになっている博物館なのです。

    特にフランスに大打撃を与えた1954年の「ディエンビエンフーの戦い」と、1975年の「サイゴン陥落」は、ジオラマなどで詳しく説明されています。この2つの戦争は、ベトナムにとって特別な意味を持っています。そのため、まるで当時の状況が今に蘇るような、そんな気持ちになる充実した展示となっているのです。

    膨大な展示品が当時の状況を今に伝える

    フランス植民地時代、見張り台として建てられた「フラッグタワー」(現在は国旗掲揚塔)が、この博物館の目印です。このタワーの内部には階段もあるため、上に登ることも可能。頂上からはハノイの街並みや世界遺産「タンロン遺跡」の様子をみることもできます。

    展示館は、2階建ての建物が2つ。屋外のものだけでも、かなりの展示数におよびます。広い中庭には、損傷した戦車やミグ21型戦闘機などがずらり。また、戦闘機の墜落現場を再現したオブジェもあり、そこには女性が墜落した戦闘機の破片を引っ張っている写真も。独立を勝ち取った誇りに満ちた写真を見ることができます。

    戦場で撮影された写真やベトナム兵の軍服をはじめとして、武器が不足していたときにもベトナム軍の勝利を後押しした、竹やりや手作りの小火器などのプリミティブな武器なども展示しています。当時はぎりぎりの極限状態であったことが物語られています。

    ベトナム戦争を終わらせた。国宝に認定された「T54型戦車」

    博物館内で一際目立つ展示がされている一台の戦車。こちらはT54型戦車。1960年からはじまったベトナム戦争は南北の統一をかけた戦争でした。そして1975年、北ベトナム有利のまま戦争は進み、来たる4月30日、2台の戦車が南ベトナムの大統領官邸(現在の統一会堂)のフェンスを破り、無血入城を果たしました。15年にわたるベトナム戦争が終結した瞬間です。

    その2台の戦車はそれぞれ国宝に認定されていて、その内の一台がこちらとなります。ちなみに、こちらの戦車はまだ現役で動くそうです。

    欧米諸国とは別の観点からの歴史が知れる

    ベトナムで勃発した過去の戦争経験について、欧米諸国とは異なる観点から知ることができるのも、この「ベトナム軍事歴史博物館」の魅力のひとつ。ここでは、当時のベトナム人たちの切実さや、戦力の差を補うようなクリエイティブさを垣間見ることができるでしょう。

    場所は、ホーチミン廟の南東にあるレーニン公園の向かい。休館日は、毎週日曜日と月曜日。カメラの持ち込みは別途料金がかかります。

    ベトナムの戦争の歴史を知る手がかりに。絶対おすすめの「ベトナム軍事歴史博物館」

    ベトナムの首都ハノイにある「ベトナム軍事歴史博物館」。ハノイ観光の際には、是非一度は足を運んでおきたいところ。きっと、今まで知らなかったベトナムを知る良い機会になると思います。

    観光情報

    ベトナム軍事歴史博物館 Vietnam Military History Museum
    住所:28A Dien Bien Phu St. Dist.Ba Dinh. Hanoi
    営業時間:8:00~11:30 / 13:00〜16:30
    アクセス:ホアンキエム湖からタクシーで15分

    Writer/この記事を書いた人

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    古川 悠紀
    トラベルライター

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    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとしてベトナムを中心に東南アジアの旅行・生活・経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。