学問の神様を祀るハノイの観光スポット「文廟」

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ベトナムのハノイで学問の神さま「孔子」が祀られている「文廟」。文廟は学問にご利益があるとして、学生を中心に多くの人びとが祈りを捧げに訪れるパワースポットでもあります。また、文廟の敷地内にある「奎文閣」はハノイ自体のシンボル。さらには、ベトナム最古の大学があった場所でもあります。ここでは、見応えたっぷりなこの観光スポットをご案内します。

目次

    ホアンキエム湖からタクシーで20分

    文廟の正門

    文廟はホアンキエム湖西部にある観光スポット。ホーチミン廟やタンロン遺跡周辺エリアとなるので、これらと併せて観光プランを組むのがいいでしょう。それほど広い敷地ではありませんので、見学の所要時間は30分程度。

    地図で確認

    学問にご利益がある人気のパワースポット「文廟」

    ハノイの「文廟(孔子廟)」は、1070年に建立されました。そして1076年、ベトナム初の大学・国子監をこの敷地内に設置されました。この大学では、王族や貴族の子弟、そして官僚などが日々学んでいたのだとか。そして約700年ものあいだ、数多くの学者や指導者を輩出し続けてきたのです。

    また、学問の神さまである「孔子」が祀られていることもあり、学問にご利益があるとされているパワースポットとしての側面も。日本でいえば、菅原道真が祀られている太宰府天満宮のようなところ。そのため、海外からの旅行者のみならず、多くのベトナム人が訪れる人気スポットです。

    入り口は「文廟門」。この門は現在、中央部分だけが開いているのですが、かつては、王族や高官専用の門だったのだとか。それ以外の一般市民は、左右にある小さな門から出入りしていたそう。門をくぐり敷地内にはいると、美しい門や庭園、見応えのある建物がつぎつぎと目の前に現れてきます。

    亀にのった石碑・進士題名碑が見応えあり

    文廟の敷地内

    最初の門「文廟門」をくぐり抜け、バッチャン焼のレンガが敷かれている道を歩いていくと、2つ目の門「大中門」。

    さらにその奥へと歩いていくと、「奎文閣」にたどり着きます。この門こそ、ハノイのシンボルそのもの。ハノイ市のマークは、この門からデザインされているのです。

    この「奎文閣」をくぐると、目のまえに「ティエンクアン」という池が現れます。

    文廟の石碑
    この石碑に科挙の合格者全員の名前が刻まれている

    この池の両サイドには、さまざまな表情をした亀のうえにのった石碑・進士題名碑がずらり。この石碑には、15世紀以降の官僚登用試験・科挙の合格者たちの名前と出身地が刻み込まれています。

    文廟の石碑

    ちなみに、ベトナムにおける科挙制度は、1075年にはじまり1919年に廃止されたのだとか。アジアではもっとも最後まで残っていた科挙だそうです。

    敷地の奥にある、ベトナム最古の大学・国子監

    文廟に祀られている神

    そして、第3の門「大成門」をくぐった先にあるのが、「大聖殿」。ここには孔子像が祀られています。ここに入るときには敷居が高く造られているため、かならず頭をさげるかたちに。これは、礼を失することのないように意図的につくられた構造となります。

    そして、「大聖殿」の裏手にある建物が、ベトナム最古の大学・国子監です。この建物は、1946年、フランスとの戦争のさいも完全に破壊されてしまいました。現在ある建物は、2000年に再建されたものです。

    孔子を学問の神として祀っている
    孔子を学問の神として祀っている

    中庭を挟んで左右には細長い建物。かつては「東の講堂」「西の講堂」と呼ばれ、ここで授業が行われていた建物です。また、正面には、文化的な行事を行う「前堂」と、国子監の教師だったチュウ・ヴァン・アンの座像が祀られている「後堂」。

    ここで、この「文廟」という観光スポットを一通り観てまわったことになります。

    ハノイを代表する観光スポット「文廟」に行こう

    文廟の門
    石畳は実はバッチャン焼き

    ベトナム最古の大学があった観光スポット「文廟」。受験シーズンになると、合格祈願に多くの学生がここを訪れるそう。学問、そしてハノイにとって、シンボル的な観光スポットなのです。

    石碑「進士題名碑」を支えているカメの頭を撫でると試験に合格できると、長年「ご利益カメ」とされていました。けれども、2010年に国際連合教育科学文化機関に登録されて以来、これらのカメには触れることができなくなっています。

    文廟のイメージ写真

    しかし心配はありません。拝殿の祭壇の脇にカメが支えているツルの銅像があり、現在ではこのカメが「ご利益カメ」となっています。ぜひ、このカメの頭を撫でて帰ってみてください。もしかしたら、ご利益があるかもしれません。

    観光情報

    文廟 Van Mieu
    住所:66 Nguyen Thai Hoc St. Dist. Ba Dinh. Ha Noi
    営業時間:7:30〜17:30
    アクセス:ホアンキエム湖からタクシーで15分

    Writer/この記事を書いた人

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    古川 悠紀
    トラベルライター

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    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。