ハノイのタイ湖に浮かぶ「西湖府」

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ハノイ最大の湖・タイ湖のほとりにある、ベトナムの民間信仰・聖母信仰の三大聖地のひとつ「西湖府」。この寺院は、中国から伝わった道教などが独自に発展をとげた、地元の人たちにとって大切な場所です。複数の重要な神々が、ここには祀られていて、ここで祈りを捧げるひとがあとを立ちません。ここでは、魅力的な観光スポットでもある、この「西湖府」の魅力をご紹介します。

目次

    ベトナムの民間信仰「聖母道」の三大聖地のひとつ

    タイ湖の北東部の湖畔からつきだした半島の先端にある、華やかな装飾と美しい湖畔が満喫できる観光スポットが「西湖府」となります。この寺院は、1598年から1607年くらいに建立されたといわれている、地元の人たちの信仰の場所として大切にされている場所です。

    1947年にはフランス軍によって燃やされましたが、1952年から1957年にかけて修復。そのあと、幾度かの改修を経て現在の状態に至っています。

    この寺院には、ベトナムの民間信仰「聖母道」の女神である「柳杏聖母」が祀られています。「聖母道」とは、中国から伝わった道教とアニミズムが混じり合って発展したベトナム独特の信仰。この「西湖府」は聖母信仰の三大聖地のひとつなのです。

    この寺院は海外などからの観光客も多いのですが、おもに地元の人びとが訪れる信仰の場所。とくに旧正月には、数多くの人びとがここに足を運びます。

    多くの人びとが祈りを捧げる、生活に密着した聖地

    「西湖府」の入り口にある立派な門をくぐると、そこには人びとが思い思いにくつろいでいる広場があり、そのすぐ左手の「西湖顕跡」と書かれている建物が「正府」です。ここは一般的なお寺でいうのなら、本堂にあたるところ。

    この建物の入ってすぐのところには祭壇が。中国道教における最高神ともいわれている「玉皇上帝」が祀られています。ここでは、多くの人びとが、靴を脱いであがり、正座をして祈りを捧げている姿をみることができるでしょう。

    その奥には「母義天下」と書かれた祭壇があり、同じく祈りを捧げるスペースがあります。ここには、上天第一聖母、上岸第二聖母、水宮第三聖母の3つの位牌が祀られています。

    さらにその奥には、「後宮」と呼ばれている部屋があり、皇上帝の娘である「柳杏聖母」が祀られています。けれども、一般の来客はそこまで入っていくことはできないようになっています。

    山岳の女神・上岸聖母を祀っている「山荘洞」

    「正府」の側にあるのが「山荘洞」。空にせり上がるようなかたちの屋根が特徴的な建物となっています。このなかには、その名前のとおりまるで洞窟のような風貌の祭壇が設置してあります。

    ここに祀られているのは、山岳の女神・上岸聖母。18世紀に山地へと住む場所を移動したキン族と山岳民族の文化融合や商業的な発展によって誕生した、ベトナム独特の信仰「聖母道」でもっとも新しい女神です。

    この「山荘洞」の向かい側には炉があり、すべてのお参りを終えたあと、ここでお札や嘆願書を焼くようになっています。お供えものは、「西湖府」の入り口の門を入って右側あたりに、お店が道沿いにたくさん並んでいます。地元の人たちと同じように、お祈りを捧げてみるのもおすすめ。

    タイ湖観光で人気の「西湖府」に行こう!

    タイ湖のほこりに佇む、おすすめの観光スポット「西湖府」。晴れた日には、美しいタイ湖の景色を楽しめるスポットでもあります。また、この寺院への道中には食堂街があります。そこでは、タイ湖名物のエビを揚げた料理やタニシを売るお店など、ハノイの名物料理の数々を楽しむことも可能。ベトナムならではの伝統的な宗教文化をぜひ体験してみてください。入場料は無料となっています。

    観光情報

    西湖府 Phu Tay Ho
    住所:Dang Thai Mai. Hanoi
    営業時間:6:00~17:30
    アクセス:ホアンキエム湖から車で30分