ベトナムの英雄が眠る。ハノイの「ホーチミン廟」

ハノイ有数の観光スポット「ホーチミン廟」。ここには、初代ベトナム民主共和国主席であるホー・チ・ミン(Ho Chi Minh)がの遺体が眠っています。そのため、ベトナム国民にとって、とても重要な意味を持っている歴史的な場所です。

また、外国からの旅行者たちにとっても、人気の高い観光スポットとなっています。ここでは、「ホーチミン廟」の見どころや注意点などをご案内いたします。ぜひ参考にしてみてください。

ホアンキエム湖からタクシーで20分

ホーチミン廟はホアンキエム湖からタクシーで20分ほど西へ走ったところにあります。周辺は政府管轄の敷地内となり、「ホーチミンの家」、「ホーチミン博物館」といったホーチミン氏にちなんだ博物館があるので、是非こちらも併せて立ち寄ってください。ちなみに世界遺産のタンロン遺跡もタクシーでワンメーターの距離にあります。

地図で確認

ハノイの「ホーチミン廟」とは

この「ホーチミン廟」があるのは、1945年にホー・チ・ミン主席がベトナム民主共和国の独立宣言を読んだ「バーディン広場」の奥のほう。この建物の周囲は、ほかにもホー主席が晩年までの15年間を過ごした家屋や国会議事堂などもあり、ベトナムの歴史を語るうえで重要なエリアとなっています。

この建物は、1973年から1975年の2年間をかけて、ベトナム全土から集められた自然の素材を使用して建造されました。デザインは公募で選ばれたベトナム人建築家によるものですが、旧ソビエト連邦の技術者の意見も取り入れているのだとか。蓮の花をかたどったデザインが印象的で、重厚ななかにも華やかさを感じさせてくれます。

外壁には御影石が使用されていて、とても荘厳な雰囲気を醸し出しているのも魅力的。建築が好きな人にとっても、たまらない魅力のある観光スポットとなっています。

「ホーチミン廟」の見どころ

この「ホーチミン廟」に収められているのは、ベトナムの南北統一にその生涯を支えた、ベトナム国民の父であるホーチミンの亡骸。その遺体には永久保存のための処理がされていて、ガラスケースのなかでライトアップされています。その姿は美しく、とても大切に安置してあることがわかります。このホーチミンの姿を拝見すること、それがこの場所のハイライト。歴史的な人物の姿を直接みることができるのは、とても感動的な体験です。

またこの場所には、もうひとつの見所があります。それは、１時間に１回行われる足並みの揃った行進。この行進は「衛兵交代式」と呼ばれるもので、２人の衛兵が行進しながら現れて、入り口の両サイドに直立していた２人の衛兵と交代するというもの。この式の見学も、この「ホーチミン廟」の名物のひとつとなっているのです。こちらもぜひ目撃しておきたいところ。

ホーチミン廟を訪れるさいの注意点

この「ホーチミン廟」は、多くの観光スポットを擁するハノイのなかでも政治的な意味合いを持つスポットとなります。そのため、ホーチミン廟を訪れるさいには、いつくかの気をつけなくてはならない点があります。

ホーチミン廟外回り

ホーチミン廟を外から見学する分には撮影も自由ですが、越えてはならないラインがあり、そこには衛兵が立っています。これより先は悪戯にも越えてはなりませんので気を付けてください。

ホーチミン廟内部

早朝に入館できるホーチミン廟内部ですが、ノースリーブやハーフパンツなどの露出度の高い服装は原則禁止。つまり、身だしなみに関してもしっかりと敬意を払わなければなりません。そして、カメラやビデオの持ち込みも不可です。内部での私語も注意されますし、立ち止まりも厳禁。そして、外国人は専用の列に並ぶことなども決められています。観光スポットでよく登場するオーディオガイドなどもありません。

また、飲料水などは、たとえ未開封であっても持ち込めませんのでご注意を。

歴史と政治に興味があるなら、「ホーチミン廟」へ行こう！

ハノイで人気の観光スポット「ホーチミン廟」。建国の父と呼ばれるホーチミン氏の遺体が眠る、ベトナムの歴史的にも最重要ともいえる場所です。入場料が無料なのもうれしいポイントですが、注意点はしっかりと守りましょう。歴史的な人物の姿を直にみる機会は、忘れなれないくらい感慨深いものです。

観光情報

ホーチミン廟　Ho Chi Minh Mausoleum
住所：19 Ngoc Ha St. Dist.Ba Dinh. Ha Noi
営業時間：8:00～11:30　※外観の見学は16時まで
休館：月、金曜
アクセス：ホアンキエム湖からタクシーで20分

Writer／この記事を書いた人

古川 悠紀
トラベルライター

大学卒業後、日本で販売店営業、外資（米国）メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム（アルク出版）」、「複住スタイル（英和出版）」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。