アジアで最も怖い博物館。ハノイの「ホアロー収容所」

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ベトナムの首都・ハノイにある「ホアロー収容所」は、ベトナムのフランス植民地時代につくられた監獄。ここで数多くの人びとが命を落としたのです。その苦渋の歴史を留めるために、現在では博物館として公開。

その雰囲気は、アメリカの放送局CNNから「東南アジアでもっとも怖い観光スポット」として選ばれたのも納得の重々しさ。
ここでは、その歴史や展示の内容などをご紹介します。

目次

    タクシーで5分!ホアンキエム湖南部観光エリア

    場所はホアンキエム湖の南部エリア。ホム市場や女性博物館などが点在する観光エリアで、ホアンキエム湖北部からタクシーに乗っても5分程度行くことができますし、歩いても15分程度。

    ホアロー収容所がある通りは、同博物館にちなんで「ホアロー通り」という名所なので分かりやすいですし、タクシーの運転手ももちろん定番の観光スポットとして知っています。

    ベトナムでもっとも残忍と言われていた監獄

    「ホアロー収容所」は、1896年ベトナムのフランス植民地時代につくられた監獄です。ここには、ベトナム独立革命を指揮した多くのベトナム人が政治の反逆罪として捕らえられていました。そして、拷問の末に命を失った場所でもあります。ベトナムだけではなく、アジアの中ででもっとも残忍な牢獄の一つだったと言われている場所です。

    当時、窓のよろい戸は閉ざされたままで、建物の中はいつも囚人たちで常に満員でした。収容可能人数を大きく上回るたくさんの人びとがここで囚われの身となっていて、一番多い時期には2,000人もの人びとがここに収容されていました。

    現在では、美しい黄色が映える明るい外観の建物となっていますが、一階部分には入り口以外の窓がなく、脱走させないための高い塀が博物館を囲い、収容所独特の閉鎖的な構造がみてとれます。

    東南アジアでもっとも怖い観光スポット「ホアロー収容所」

    この「ホアロー収容所」は、フランスの敗戦後も、北ベトナム軍がアメリカ兵の捕虜のための収容所として使用されていました。アメリカの上院議員であるジョン・マケインや、ベトナム戦争後初の駐ベトナム大使となったダグラス・ピーターソンは、数年間この収容所で捕虜としての生活を送っていたそうです。

    ベトナム戦争時、アメリカ兵たちはこの収容所に皮肉を込めて「ハノイ・ヒルトン」というあだ名を付けました。1987年のアメリカ映画『ハノイ・ヒルトン』は、この収容所が舞台となっています。

    チケットを購入して建物に入ると、外観の明るさと一転した雰囲気に。人びとが捕らえられていた部屋は当時のまま残されていて、とても重たい空気がそこにはあります。アメリカの放送局CNNから「東南アジアでもっとも怖い観光スポット」と呼ばれているのも納得の雰囲気です。

    当時の様子を生々しく再現された展示たち

    この「ホアロー収容所」は、独房や集団房、拷問のときに使用していた道具などを展示。リアルな人形模型を使って、当時の様子を生々しく再現しています。また、当時の様子を描いたレリーフなども。ここに捕らえられた人びとが、毎日のように飢えや暴力、そして孤独に苦しんでいたのがよく分かる内容となっています。

    とくにショッキングなのは、実際に使用されていたギロチン台が展示してあること。ベトナムを占領していたフランス軍は、彼らの意に沿わないベトナム人を政治犯として捕らえ、このギロチンで処刑していたのです。ちなみに、ギロチンはフランス人が持ってきた拷問方法で、当時ベトナムには南ベトナムしかありませんでした。北ベトナムでは、ここホアロー収容所のみで使われていたとされています。

    また、ちょっと衝撃ですが、ギロチン台の傍には実際処刑された首だけの写真も展示されています。

    博物館内の展示は、ベトナム語と英語の表記のみ。休館日はありませんが、昼食の時間帯は一時閉鎖しているのでご注意を。入場料はひとつ3万ドン(約150円)です。

    異様な雰囲気が漂う心霊観光スポット「ホアロー収容所」

    東南アジアで最恐とも言われている観光スポット「ホアロー収容所」。その場所で繰り広げられたおびただしい人たちの苦悩は、私たちの想像を絶するものがあります。ベトナムの歴史を知る上でもとても重要な観光スポットであり、博物館でもあります。歴史好きな人なら、マストで訪れてほしい観光スポットです。

    観光情報

    ホアロー収容所 Hoa Lo Prison
    住所:1 Hoa Lo St. Dist.Hoan Kiem. Hanoi
    営業時間:8:00〜17:00
    アクセス:ホアンキエム湖からタクシーで5分