ハロン湾はなぜ人気?神秘的な景色に隠された伝説とは

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ベトナム北部に位置するハロン湾は、ベトナムでも有数の観光地です。湾に浮かぶ数々の険しい岩山は自然の神秘を感じさせるスピリチュアルな場所でもあります。

最も一般的なのがハロン湾をクルーズしながら回れるツアー。そのツアーに参加すると、ハロン湾の中にある鍾乳洞にも入ることができたり、カヌーを自分で漕いで、静かな岩場に行くこともできます。

ファミリー、カップル、友人同士と、どの旅行者でもおすすめできるハロン湾ですが、今回はそのハロン湾に隠された神話を紹介しながら、現地での楽しみ方と魅力をお届けしたいと思います。

目次

    ハロン湾の名前の由来?人気観光地に隠された神話

    ハロン湾という名前の響きはなんだか可愛い響きですよね。しかし、ベトナム語の意味は、「昇龍」つまり天に昇る龍という意味です。力強く縁起のいい神物である龍の名前は、ベトナムの昔の神話に由来します。

    神話では、ゴック・ホアンという天界の神がベトナムを守るために、ある龍の家族を地上に下ろしたと言われています。当時ベトナムは対抗勢力からの強烈な侵略を受け、祖国の地を守ろうと苦戦しているところでした。

    そこで、その龍の家族は不思議な力で、貴重な鉱物や翡翠などを吐き出すのです。その鉱物や翡翠が無数の島に変わりその海に浮かびます。

    それぞれの島が、侵略者の侵略を防ぐ大きな壁となってベトナムを守ったのです。龍の家族が吐き出した鉱物からできた島々が、今のハロン湾に浮かぶ岩山です。

    連なる島は少なく、それぞれが独立している島がたくさんポツポツとあるため、ハロン湾の光景を見るとこの神話の雰囲気を具体的にイメージすることができるでしょう。

    その龍の家族は天界に帰ることはなく、ベトナムを守るために地上に残ったと言われています。無数の島のうちのいくつかは、水中の龍が、空中に出してた自らの体の一部だとされています。

    では、「ハ・ロン」昇龍という名前はどこから来たのでしょうか。

    実は、昇龍の姿は龍の家族が地上に降りてくる時の姿だったのです。降りてくる龍の姿を、昇って行く龍の姿だと勘違いした人々が「昇龍」として崇めたのが始まりでした。

    雨季にハロン湾に行くと、その天候のせいで景色が霞んで見えることがあります。そんな時は特に、ハロン湾の神秘的な雰囲気が助長され、神話の世界に入り込んでいけそうな雰囲気を味わうことができます。

    ハロン湾の魅力

    このように神秘的なハロン湾ですが、ここでは一体何ができるのでしょうか?

    前述しましたがクルーズでハロンワンを回ることが一般的ですが、そのクルーズツアーにも様々なものがあります。よくあるツアールートは、一通り岩山を楽しんだ後にカヌーなどのアクティビティをし、鍾乳洞に行くものです。

    アクティビティでは、カヌーの他にカヤックのような大人数で乗れるものもあります。カヌーはひっくり返って海に落ちる可能性がありますが、カヤックだと相当な動きをしないとひっくり返らないので安全第一の方にはオススメです。

    ただ、カヌーの方が小回りが利くので自分の行きたいところに行きやすいのがいいところです。

    湾から少し入った入江などに入り、音のない世界を楽しむためには小回りのきくカヌーが一番です。

    そして、鍾乳洞も幻想的で心を奪われます。人工的にカラフルなライトアップがなされていますが、ネオン街のような色なのにも関わらず神秘的に見えます。鍾乳洞の中はかなり涼しいので、自分がベトナムという亜熱帯にいることを忘れさせてくれることでしょう。

    アクティビティと鍾乳洞見学が終わると岸に向かうためにもう一度クルーズ船に乗り込みます。その時、大体の船が現地で取れたフルーツをサービスしてくれます。素敵な景色を眺めながら海風の中で食べるフルーツは別格です。

    ハノイ旅行における最大のハイライト「ハロン湾」を見逃さないように!

    人気観光地に隠された神話は興味深いものです。地元の人がどれだけこのハロン湾を神聖な場所だと思っているかがわかります。

    地元の人だけでなく、ハロン湾を訪れた旅行者は心が洗われた気分で岸に上がることになるでしょう。神話を知ってから見る景色もまた違って興味深いものです。

    Writer/この記事を書いた人

    著者の写真

    古川 悠紀
    トラベルライター

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    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとしてベトナムを中心に東南アジアの旅行・生活・経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。