ハノイの「ベトナム国立美術博物館」で紀元前から現代までの歴史美術を見る
ベトナムの北部ハノイは、政治と芸術の街といわれるように、ハノイ市街中心にいくつもの美術館や博物館があります。その中でもとりわけ存在感があるのが、青銅器時代から現代まで、ベトナムの歴史的な美術品が数多く集められている「ベトナム国立美術博物館」です。
ここでは、ベトナム国立美術博物館の魅力をご案内いたします。
ホアンキエム湖からタクシーで15分
ベトナム国立美術博物館は、ホアンキエム湖からタクシーで15分ほど西へ走ったところ。近くには文廟、ベトナム軍事歴史博物館といった観光スポットがあります。
また、他サイトでは「ハノイ美術博物館」、「ベトナム美術博物館」といった名称で紹介されていますが、すべて同じ博物館となります。
地図で確認
さまざまな観点からベトナム美術を鑑賞できる
「ベトナム国立美術博物館」は、ベトナムにとって歴史的に価値のある美術品を数多く収蔵している美術館です。展示されている発掘品の最古はベトナムの青銅器時代で、歴史は紀元前4世紀までさかのぼります。東南アジアでも最古のレベルで、その他中国雲南省発祥の銅鼓や鉄も見つかっています。
博物館内は考古学的、芸術的、宗教的な視点と、複数の観点からベトナムの美術品を理解できるようになっています。とくに、宗教的視点で紹介されている仏教関連の作品は、見ごたえがあると評判。
この博物館の建物は、黄色の壁が印象的なフレンチ・コロニアル様式。もともとはフランスの植民地時代、インドシナ大学に通っていた学生の寄宿舎として使われていたところなのだとか。
とても華やかな外観の建物で、内部に入るまえからテンションがあがります。
青銅器時代から現代の作家まで全時代を網羅
この「ベトナム国立美術博物館」は、展示スペースが2棟に分かれていています。
本館の1階には、青銅器を中心とした考古学的視点と仏教的視点で集められた展示物。とくに千手観音は、繊細で美しい細工がすばらしく必見です。2階と3階には、絵画を中心とした近代美術の名作の数々が展示されています。
時代が現代に近づいてくると、戦争をテーマにした絵画が増えていきます。ここでは、ベトナムの長きにわたる苦渋の戦争の歴史が、美術品のなかにも刻印されているのを見てとることができるでしょう。
またこの博物館には、現在活躍中のアーティストの展示スペースもあります。そこでは時期によって、展示されているアーティストが入れ替わるようです。現代アートも楽しむことができることも、この博物館の特徴のひとつ。
ベトナムの少数民族に関する展示もたくさん!
本館の左側にある別館では、地下に陶器、2階には、ベトナム北部のドンホー村で製作された伝統的な版画や地獄絵図、ベトナム中部の高原で暮しているジャライ族による木彫りの像などを展示してあります。
3階では、少数民族の衣装や伝統工芸品、生活道具の数々が展示してあります。
この別館の3階の少数民族パートは、とくに外国人観光客に人気。どの展示品もレプリカではなく、本物の貴重なものとなっています。ここに展示されているのは、ベトナム北部のサパというエリアに暮らしている山岳民族たちのものが中心。美しい模様がほどこされた生地や華やかな衣装は、お土産店でも販売されています。
ベトナムの文化を知る。ハノイ「ベトナム国立美術博物館」に行こう!
ベトナムの歴史的価値のある美術品の数々が展示されている「ベトナム国立美術博物館」。展示品はベトナム北部の歴史全体を知ることができる貴重なものばかり。また、少数民族に関する展示もあるのも、旅行者にはうれしいところ。
閉館時間は17時までなのですが、人が少なくなってくると16時くらいから職員が帰ってしまうことがあるようです。警備員が見回りにきて、人がいない部屋から鍵をかけてしまうのだとか。また、警備員が部屋のなかをよく確認せずに鍵を閉めることもあるようなので、取り残されないようにご注意を。
かなりの展示数となっているので、あまり時間がないときには、気になるところを先に見て回っておくとよいでしょう。
観光情報
ベトナム国立美術博物館 Bao Tang My Thuat Viet Nam
住所:66 Nguyen Thai Hoc St. Ha Noi
営業時間:8:30〜17:00
アクセス:ホアンキエム湖からタクシーで15分