ハノイのシンボル的観光スポット「ハノイ大教会」

多くのキリスト教会を有するベトナムの首都ハノイ。その多くのカトリック教会の中でも頂点に立つ格式高いのがゴシック建築の傑作でもある「ハノイ大教会」です。

1886年の完成以来、現在に至るまで、この街に暮らすクリスチャンたちの信仰の拠り所となっているハノイ大教会。
ここでは、その魅力をご紹介します。

目次

    ハノイ市内のカトリック教会の頂点に立つゴシック建築

    「ハノイ大教会」は、ハノイ市内におけるカトリック教会の中では最も格式が高く、キリスト教徒の活動の中心にあります。また、その一方で外国人旅行者にとっては、人気の観光スポットでもあります。

    ハノイには有名な教会が7つあるのですが、それらの教会の頂点に立つのがこのハノイ大教会。1886年に完成してから現在にいたるまで、ハノイに暮しているクリスチャンたちの信仰の拠り所になっている双塔の大教会です。

    フランス軍がハノイ城を占拠した1882年、フランス人のプギニエール司教がこの教会の建設に取り掛かり、1886年12月24日、クリスマスイヴに落成式が行われました。今やこの教会は、ベトナムの文化的価値を持つ財産ともなっています。

    ヨーロッパにある教会の多くは石造りなのですが、この「ハノイ大教会」の主な建築資材は、レンガとタイルなのが特徴。これらの資材はハノイの炉で焼かれ、プギニエール司祭自らが品質のチェックを行ったのだとか。また、美しいステンドグラスは、イタリアのベネチアから運ばれてきたものなのだそう。

    建物の中央には大きなバラ窓。中央の頂には、石の十字架が掲げてあります。ところどころに換気口があるのは、この地域の気候への対処のようです。

    今でも清らかな音を鳴り響かせる現役のハノイ大教会

    この「ハノイ大教会」の奥行きは64.5m、横幅は20.5m、2つの塔の高さは31.5m。左の塔には大きな鐘がひとつ、右には4つの小さな鐘。それらの鐘は、中央の大きな時計と連動していて、現在でも清らかな音でハノイの街に時を刻んでいます。

    ミサが行われている時間以外は、表の扉は普段は閉ざされていますが、向かって左サイドの門から中に入ることができます。内部に入るときには、神さまに祈りを捧げている人の邪魔にならないように静かに見学しましょう。

    教会に入ってすぐに右手の床には、黒いマーブル石の墓碑。これは1990年に埋葬された2人のベトナム人司祭の墓です。その向かい側にあるのは、1839年にミンマン帝による迫害で殉教したベトナムの聖人アンデレ・ズンラックの像。左右の回廊の柱には、イエスの「受難物語」を描いた14枚の絵が飾られています。

    祭壇の中央にあるのは、幼きイエスを抱えた「聖ヨセフの像」。19世紀末のローマ法皇であるイノセンティス11世がヨセフをとくに敬愛していたことから、これが中央に置かれたのだとか。そのため、この教会は「聖ヨセフ教会」とも言われています。

    ハノイ大教会の横手には、東洋と西洋が融合した礼拝堂も

    また、教会の横手には門があり、そこから先は神学校や礼拝堂、聖職者の宿舎などがある敷地が広がっています。

    1876年に建てられたこの礼拝堂は、大教会ができるまで、ここでミサが行われていた場所。ぱっと見、ベトナムの伝統的な寺院のかたちをしていますが、よく見るとアーチ窓やバルコニーがあり、東洋と西洋の建築様式が混じり合っていることがわかる興味深い建物となっています。

    市内観光の王道名所として立ち寄りたい観光スポット

    ハノイ市内のカトリック教会の頂点に立つ「ハノイ大教会」。この教会は、ニャーチュン通りとリークォックスー通りが交わる広場の奥に佇んでいます。この広場の中央には、いつも綺麗な花が飾られている「聖母マリアの像」も。

    最近では、この教会の周辺におしゃれなカフェなどが集まっていることでも注目されています。ハノイ観光のさいには、是非足を運んでみてください。その価値は充分にあります。

    観光情報

    ハノイ大教会(セントジョセフ教会) St. Josephs Cathedral
    住所:40 Nha Chung St. Dist.Hoan Kiem. Hanoi 
    営業時間:5:00〜12:00/14:00〜19:30
    アクセス:ホアンキエム湖から徒歩5分