ホーチミンからシェムリアップへ！バスと飛行機の行き方をご案内

ベトナムのホーチミンから、隣国カンボジアの北部シェムリアップへの移動を考えた場合、バスと飛行機はどちらがおすすめなのでしょうか。

ベトナム最大の観光都市であるホーチミンと、世界遺産アンコールワットのあるシェムリアップは、実は1度の海外旅行で周遊できるおすすめの都市となります。そこで、今回はバスと飛行機の行き方も交えて、ホーチミンとシェムリアップのアクセス事情をご紹介します。

一昔前はベトナムとカンボジアの2か国周遊旅行が当たり前だった

一昔前までは、どこの旅行雑誌を見てもベトナムとカンボジアは2か国で1冊だったのはご存知ですか。地球の歩き方やるるぶといったメジャーな旅行雑誌でも、やはりベトナムとカンボジアは一冊にまとめられていました。

しかし、昨今は取り分けベトナムが観光大国として台頭し、ハノイとホーチミン以外にもダナンやホイアン、ニャチャンにフーコック島など複数の観光地が日本人に支持されるようになり旅行先としてのボリュームが増し、2010年代頃からベトナムとカンボジアは単独の旅行雑誌として切り離されました。

ベトナムとカンボジアの2か国周遊旅行は現地ツアーでも人気

とはいえ、現在でも1度の旅行でベトナムとカンボジアの2か国周遊旅行をする観光客は少なくありません。ホーチミンに2～3日滞在したのち、シェムリアップに飛んで、現地でも同じ日数を滞在。帰りはホーチミンを経由して日本へ帰国します。

上記から分かる通り、カンボジア及びシェムリアップは日本と直行便で結ばれていませんので、今回ご案内するようにホーチミンを拠点にして移動することになります。

ホーチミンからバスで行くシェムリアップへの行き方

ベトナムのホーチミンからバスに乗ってシェムリアップへ行く場合は、「モクバイ」の国境を越えることによって陸路で移動することができます。

ただし、ホーチミンからシェムリアップまでは12時間以上かかるため、モクバイ国境を越えてカンボジアに入国後は、首都プノンペンに向かい、現地で一泊後、翌日にシェムリアップに向かうこととなります。一泊しないで直行するバスルートもありますが、体力的にかなりしんどいです。

シェムリアップ行きのバスはツアーデスクで手配。自力ではおすすめしない理由

ホーチミンからシェムリアップへ行くルートとしては、
ホーチミン市街→モクバイ国境→プノンペン→シェムリアップ
となります。

ホーチミンからモクバイ国境までは路線バスが通っているので自力で行くことが可能ですが、その一方でモクバイ国境を越えたのち、中継地点となるプノンペン行きの路線バスが出ているかは、なかなか情報がとれません。
実際は運行しているのですが、タイミングよく来てくれるかも定かではありませんので、長時間立ち往生する可能性も高いです。国境の待合室は冷房も聞いていませんし、周辺には食堂以外なにもありません。

ホーチミンからシェムリアップ行きのバスを運行しているツアーデスク

ホーチミン市街地から出ているシェムリアップ行きのバスを運行しているツアー会社は下記となります。

Mekong Express：http://catmekongexpress.com/
SAPACO Tourist：こちらをクリック※URLが長いため
Virak Bun Than：https://www.virakbuntham.com/

また、上記バス会社はプノンペン行きも出ているので、もしプノンペンで数日滞在したい場合は、プノンペン行きに乗り、プノンペン滞在後、現地のツアー会社でシェムリアップ行きのバスを手配するのがいいでしょう。おそらく滞在ホテルから予約することもできるはずです。

ホーチミンからシェムリアップまでバスで行く場合の費用はどのくらい？

ホーチミンからシェムリアップまで12時間の過酷なバス旅を希望する場合の費用は下記となります。
バスの運賃：3000～5000円※バスのグレードによる
カンボジア側のビザ（入国手数料含む）：約4000円

バスはシート型よりも寝台バスが絶対におすすめです。座席シートは質が悪いのでお尻が痛くなりますし、往々にしてバスの型が古いので車内の空気も良くありません。

ホーチミンからシェムリアップまで飛行機で行く方法

続いてご紹介するのは、ホーチミンからシェムリアップまで飛行機で行く方法です。
ホーチミンからシェムリアップまではベトナム航空のみ発着で、料金相場は1万5000～2万円となります。ベトナム航空はレガシーなので高いのが残念なところですね。

ただし、バスで12時間以上かけて行くところを、飛行機であれば1時間30分で行くことができるのは、短期旅行者にとっては非常に大きな魅力です。

また、ベトナム航空は不定期にホーチミン・シェムリアップ路線の割引キャンペーンを実施しているので、タイミングが合えば1万円前後で行くこともできます。

飛行機でシェムリアップへ行く場合の日本への帰国方法

冒頭でご紹介したように、現状シェムリアップから日本への直行便がありません。ただし、ANA（全日空）がプノンペン―成田間を運行していますので、こちらを利用することは可能です。

シェムリアップからホーチミンへバスで戻る場合の注意点

シェムリアップの滞在を終えて、ホーチミンへ戻る旅行者の中で、飛行機ではなくバスを移動手段として考えている方は、少し注意が必要です。

ベトナムのビザ及び入国制度は頻繁に変わるため、場合によってはバベット国境（ベトナム側のモクバイ国境と同じ場所）でベトナムにおける観光ビザの取得の有無を確認させる可能性があります。もし観光ビザがなければ、最悪入国できないこともありますので、必ず最新のベトナムの入国制度を確認しておきましょう。
※ベトナムでは最初の入国はノービザで可能ですが、出戻りの場合はビザが必要というケースがあります。

まとめ：ホーチミンからシェムリアップまではバスではなく飛行機が断然おすすめ！

今回はホーチミンからシェムリアップまでのバスと飛行機の行き方をご紹介しました。結論から申し上げますと、やはりバスでの移動時間の12時間はかなりネックです。

世界一周をするバックパッカーの人たちも、「正直かなりきつい」と弱音を吐くほどです。よほどバス旅に思い入れがあるか、もしくは日系旅行会社を通して、大型バスで行く快適さがない限りは、飛行機でシェムリアップまで行くことを強くおすすめします。

Writer／この記事を書いた人

古川 悠紀
トラベルライター

大学卒業後、日本で販売店営業、外資（米国）メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム（アルク出版）」、「複住スタイル（英和出版）」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。