ハノイからホーチミンまでの移動方法と現実的な手段

Top Image
Image 1
Image 2
Image 3
Image 4

ベトナムの北部ハノイから南部ホーチミン、もしくはホーチミンからハノイに移動を考えている旅行者や出張者は、どのような手段が考えられるのでしょうか。飛行機、バス、鉄道などをすべてご紹介しつつ、現実的なおすすめの移動手段をご案内します。

目次

    ハノイとホーチミンの直線距離はどのくらい?

    ハノイとホーチミンの直線距離はどのくらい?

    ハノイとホーチミンの直線距離は、およそ1700km。これは日本の青森県から福岡県までの距離に相当します。「2都市とも有名だからもっと近いと思っていた」、「ベトナムって意外と大きな国だったんだ」といった声が聞こえてきそうですね。

    ちなみにハノイとホーチミンは北部と南部にそれぞれ位置していますが、これだけ距離が違うと気候も異なります。ベトナムに旅行に行く方は、行く時期とエリアによって服装や持ち物を考えることも忘れないでくださいね。

    ホーチミンとハノイの気候・天気の違い
    「次のベトナム旅行をホーチミンとハノイのどちらにしようか迷っている」という方がいれば、観光する時期によって選択してみてはいかがでしょうか。今回はホーチミンとハノイの気候と天気の違いについてご案内します。
    詳細を見る

    ハノイとホーチミン間で考えられる移動手段は3つ

    ハノイからホーチミン、あるいはホーチミンからハノイへ移動する際、旅行者や出張者が実際利用することができる現地の移動手段はどういったものが考えられるのでしょうか。

    最もスマートな飛行機。ハノイとホーチミンの移動はこれで決まりか

    最もスマートな飛行機。ハノイとホーチミンの移動時間はたったの2時間!

    旅行者や出張者がまず考えつく移動手段と言えば、飛行機ではないでしょうか。ベトナムも最近は国産航空会社が増えてきて、格安航空会社LCCも参入しています。料金も年々安くなっているので、新型コロナが落ち着いた後も往復1~2万円程度で行くことができるはずですので、ハノイ・ホーチミン間の移動手段の第一候補となることは間違いありません。ちなみにベトナムの国産航空会社は下記となります。

    ベトナム航空

    唯一の国営航空会社。国際便だと料金はANAやJALと同程度なので、なんとなく乗りづらさはありますが、アオザイを着たフライトアテンダントを見たい、という方はハノイ・ホーチミン間の国内移動で利用してみてはいかがでしょうか。
    公式ホームページ:https://www.vietnamairlines.com/jp/ja/home

    (ジェットスター)パシフィック航空

    2019年まではジェットスターパシフィックとして知られた格安航空会社のLCC。オーストラリアのジェットスターとベトナム航空を親会社に持つパシフィック航空が資本提携していましたが、ご存知のように新型コロナで航空会社は大打撃を受けて、2020年7月にジェットスターが撤退。翌8月以降はパシフィック航空に戻っています。LCCとして利用価値は相変わらず高いですが、2021年2月時点では日本語ホームページがないのが残念。
    公式ホームページ:https://www.pacificairlines.com/vn/en/

    ベトジェットエア

    ベトナムにおいて初となる民間の航空会社でありLCC。ハノイ・ホーチミン間の移動も場合によっては1万円を切ることも。不定期に運賃ゼロ円キャンペーンなども実施していますし、日本語ホームページもあるので、日本人にとっては最も使いやすいかも。
    公式ホームページ:https://www.vietjetair.com/sites/web/ja-jp/home

    バンブーエアウェイズ

    不動産やホテル、リゾート開発をするベトナム国内最大の投資グループのFLCが運営するレガシーキャリア。2019年創業とまだ若いですが、今後の成長株として国内外から注目されています。ハノイ・ホーチミン間及び国内主要観光都市の移動はすべて網羅されていますし、国際線では日本との就航もすでに決定しています。
    公式ホームページ:https://www.bambooairways.com/global-en/

    ハノイ・ホーチミン間の移動は南北統一鉄道で。ぶらり途中下車の旅を実践するなら鉄道を

    ハノイ・ホーチミン間の移動は南北統一鉄道で。ぶらり途中下車の旅を実践するなら鉄道を

    ハノイ・ホーチミン間の移動は鉄道でもできます。さながらぶらり途中下車の旅、世界の車窓からといった鉄道ロマンが好きな人にはぴったりです。ハノイ・ホーチミン間の移動ができる鉄道は、国営列車「南北統一鉄道」となります。

    東南アジアらしい小汚いディーゼル列車で、ガタガタ揺られるベトナム旅もいいかもしれませんね。ちなみにサイトを検索すると出てくる「ブルートレイン」、「ゴールデントレイン」は両方ともホーチミンから中南部クイニョン、あるいはニャチャン行きの寝台列車となり、ハノイまでの移動はできません。

    旅慣れたバックパッカーが選ぶホーチミン・ハノイの移動手段は「バス」

    旅慣れたバックパッカーが選ぶホーチミン・ハノイの移動手段は「バス」

    元々電車がないベトナムでは、都市間の移動はバスが基本です。一般のベトナム人にとっては、まだまだ飛行機は高い乗り物なので、いまでもハノイ・ホーチミン間の移動にバスを使う人も少なくありません。外国人にとっては旅慣れたバックパッカーが安く移動する手段としての定番となっていて、冷房が効いてWi-Fi完備の寝台バスもハノイ・ホーチミン間で走っています。「何より安く行きたい」という方におすすめの移動手段となります。

    飛行機・列車・バスのハノイ・ホーチミン間の移動時間

    飛行機・列車・バスのハノイ・ホーチミン間のそれぞれの移動時間
    ホーチミンのサイゴン駅。列車は思いのほか定刻通りに来る

    上記ではハノイ・ホーチミン間の移動方法に飛行機と列車、そしてバスを候補としてご紹介しました。では、次はそれぞれどのくらいの移動時間がかかるのかを見てきたいと思います。

    やはり飛行機は早い!たったの2時間で到着

    飛行機であれば、ハノイとホーチミンはたった2時間の移動となります。ハリウッド映画を1本見終わるかどうかで到着してしまうので、ストレスもかかりません。特に滞在日数が短い旅行者や出張者は「飛行機一択」という人も多いのではないでしょうか。

    列車は覚悟が必要!ハノイ・ホーチミン間は約35時間の移動

    上記で紹介した南北統一鉄道はディーゼル列車のため、日本の電車と異なりかなり揺れますし騒音も大きいです。時速は40~70km程度しか出ませんので、ハノイとホーチミン間の移動時間は何と35時間。ちなみに同じ距離にある青森・福岡間を新幹線で行くと、わずか9時間で到着します。ちなみにハノイ・ホーチミンの移動にかかる運賃は8000円ちょっと。「これならもう少しお金出して飛行機乗るわ」となるのも普通ですよね。

    究極の選択かも。バスは最長37時間のハノイ・ホーチミンの旅路

    バスは列車よりも長く、およそ37時間の移動となります。道中はガタゴト道も多いので、バックパッカーでも音を上げるほど。ただし、長距離寝台バスに乗れば、Wi-Fiはありますし冷房もしっかりと効いているので、意外と快適です。身長170cmくらいまでなら足を伸ばすこともできますので、女子一人旅もよく見かけます。ちなみにハノイとホーチミンの移動にかかる料金はおよそ3000円。確かンい安いです。

    列車とバスの移動はどちらがおすすめ?バスは注意が必要

    列車とバスはどちらがおすすめ?バスは注意が必要
    ホーチミン最大のバスターミナル

    上記から分かるように、飛行機は桁違いに早いですが、列車とバスはどちらも35時間ほどかかります。ではどちらがおすすめなのかというと、これは寝台列車・南北統一鉄道です。列車であれば身体がなまったら車両通路を歩くことができますし、ベッドで寝そべりながら読書やスマホを弄ることもできます。

    一方で寝台バスは休憩まで身動きとれませんので、ひたすら寝そべる格好となります。また、休憩はバス会社によって違いますが、3~7時間に一度のペースとなるので、トイレが近い人はきびしいかもしれませんね。列車であればもちろん好きなときにトイレに立つことができます。

    ハノイとホーチミンの移動は基本は「飛行機」。旅情緒を感じたいなら列車とバスもおすすめ

    ハノイとホーチミンの移動は基本は「飛行機」。旅情緒を感じたいなら列車とバスもおすすめ

    ハノイとホーチミンの移動は今回ご紹介したように、滞在日数が少ない方は基本的に飛行機一択となります。数年前に一度ハノイ・ホーチミン間の特急計画がありましたが、ベトナム人の所得と需要を鑑みて挫折した背景がありますので、今後もしばらくは、陸路10時間以下でハノイとホーチミン間を移動するのは難しそうです。

    Writer/この記事を書いた人

    著者の写真

    古川 悠紀
    トラベルライター

    FacebookInstagram

    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。