ベトナムの気候と天気
ベトナムを次の旅行先に考えているならば、現地の気候は知っておくといいでしょう。自分が行く日は雨季なのか乾季なのか。暑いのか寒いのか。何の情報収集もしないで、「ベトナムは年中暑いんでしょ」と高を括っていると、現地に行って、思わぬ天気に驚くことでしょう。
今回はベトナムの年間を通しての気候と季節をお届けします。
ベトナムの気候
ベトナムは南北に長い国土を持ち、中部から中南部にかけては東は南シナ海、西は国境沿いに連なる山脈が聳える変わった地形をしています。ゆえに、一概に“南国”と言っても、その気候は地域差が大きくあるのが特徴です。
北部ハノイの年間を通しての気候と気温と降水量
北部は首都ハノイが観光エリアの中心。そして、北には少数民族と交流できるサパ、南には世界遺産のニンビン省やハロン湾が点在しています。
気候は温帯。若干の四季が感じられる
北部ハノイはホーチミンとは異なる気候であることを覚えておきましょう。気候は温帯で、年間を通して四季があります。日本のような明確なシーズンは感じませんが、冬の時期はジャンパーやコートを着こまなければ、寒くて歩けないほど。旅行者は自分たちが行く時期が、どの程度の気温なのかをしっかりと把握した上で、持っていく洋服を決めなければなりません。
雨季と乾季に分かれる
四季があるというのは、あくまでも気温をベースにした話で、基本概念としてハノイも他のベトナムのエリアと同様、雨季と乾季に分けることができます。雨季の時期はじとじとした雨が降り続け、数十分でやむこともあれば数時間降り続けることもあります。
一方乾季は観光における雨の心配はほとんどないので、サパやハロン湾といったアウトドア観光や世界遺産観光に最適のシーズンとなります。
ハノイの気温と降水量
1月 最高気温 22度 最低気温 13度 降水量 30mm
2月 最高気温 22度 最低気温 15度 降水量 20mm
3月 最高気温 23度 最低気温 17度 降水量 50mm
4月 最高気温 27度 最低気温 21度 降水量 90mm
5月 最高気温 30度 最低気温 25度 降水量 190mm
6月 最高気温 33度 最低気温 26度 降水量 250mm
7月 最高気温 34度 最低気温 28度 降水量 300mm
8月 最高気温 33度 最低気温 27度 降水量 330mm
9月 最高気温 31度 最低気温 23度 降水量 270mm
10月 最高気温 28度 最低気温 21度 降水量 120mm
11月 最高気温 25度 最低気温 17度 降水量 50mm
12月 最高気温 22度 最低気温 15度 降水量 30mm
雨季となるのは降水量がぐっと上がる5月から10月。
乾季は11月~4月もしくは5月の中旬頃までとなります。
乾季の中の11月~12月は秋に該当し、1月、2月は冬に該当します。本来雨が降らない乾季はハイシーズンですが、その時期は南国の暑い気温は期待できません。逆に雨季の時期は真夏の日が続き、湿度も高く「町を歩くだけで眼鏡がくもる」といった現象もあるほどです。
中部ダナンの気候と気温と降水量
ハノイ、ホーチミンに次ぐ第三の観光都市である中部都市ダナン。北にはフエ、東にはホイアン、ミーソン遺跡と3つの世界遺産が散らばっています。いずれも屋外観光エリアとなるので、できれば晴れた日に行きたいところです。
ダナンの気候は温帯。雨季と乾季の時期は長め
ダナンの気候はハノイと同様温帯気候となります。しかし、南シナ海から吹き付ける季節風が西の山脈にぶつかり、跳ね返ってくる関係で、気候はハノイやホーチミンとは若干異なります。
特徴は“乾季が長いこと”です。
ダナンの気温と気候
1月 最高気温 24度 最低気温 18度 降水量 110mm
2月 最高気温 27度 最低気温 20度 降水量 10mm
3月 最高気温 28度 最低気温 22度 降水量 10mm
4月 最高気温 30度 最低気温 25度 降水量 10mm
5月 最高気温 35度 最低気温 27度 降水量 20mm
6月 最高気温 36度 最低気温 28度 降水量 40mm
7月 最高気温 34度 最低気温 26度 降水量 90mm
8月 最高気温 33度 最低気温 26度 降水量 120mm
9月 最高気温 30度 最低気温 23度 降水量 390mm
10月 最高気温 28度 最低気温 21度 降水量 550mm
11月 最高気温 26度 最低気温 20度 降水量 380mm
12月 最高気温 26度 最低気温 20度 降水量 250mm
8月から徐々に雨が降り始め、9月から本格的な雨季に。ただし、期間は短く、中部ダナンの雨季は9月~12月まで。この時期は台風もやってくるため、豪雨となり、道路のいたるところが冠水します。もちろんビーチで海水浴はできなく、波は荒れて「冬の日本海のよう」と揶揄されるほど。
また、10月~3月くらいまでは朝晩冷え込む日が続きます。ただし、日中は暑いので、海水浴は問題なく楽しむことができます。
南部ホーチミンの年間を通しての気候と気温と降水量
南部ホーチミンはベトナム最大の観光エリア。ベトナム旅行を考えている方の中には、「東南アジアらしい真夏の気候が恋しい」という人は少なくありませんね。ベトナムで東南アジア特有の熱帯気候であるのは、ここ南部ホーチミンとなります。
日本とは異なる南国バカンスを満喫
温帯気候の日本とはまるで異なる気候を持つのがホーチミン。四季はなく、1年を通してあるのは乾季と雨季の2つのみ。乾季はほとんど雨が降らず、雨季は1日数回、数十分から1時間ばかりの局地的大雨のスコールが降ります。スコールはすぐにやむので、雨降りの間はスパやマッサージ、カフェなどで時間を潰すといいでしょう。
ホーチミンの気温と降水量
1月 最高気温 31度 最低気温 22度 降水量 30mm
2月 最高気温 32度 最低気温 23度 降水量 10mm
3月 最高気温 33度 最低気温 24度 降水量 10mm
4月 最高気温 34度 最低気温 25度 降水量 70mm
5月 最高気温 35度 最低気温 25度 降水量 220mm
6月 最高気温 33度 最低気温 23度 降水量 300mm
7月 最高気温 32度 最低気温 23度 降水量 280mm
8月 最高気温 32度 最低気温 23度 降水量 270mm
9月 最高気温 32度 最低気温 23度 降水量 320mm
10月 最高気温 31度 最低気温 21度 降水量 260mm
11月 最高気温 30度 最低気温 21度 降水量 110mm
12月 最高気温 30度 最低気温 20度 降水量 20mm
御覧のように、ホーチミンの気温は年間を通して真夏日が続き、平均最高気温で30度を下回ることはありません。日中は35度を超える日も少なくなく、最も日差しが厳しくなる5月は、ベトナム人ですら外に出たがりません。
雨季は5月頃からはじまり、11月から12月の中旬頃まで続きます。とはいえ、スコールは長雨になることはあまりないので、雨季の時期であっても旅行に適していないわけではありません。
あまり雨を心配しすぎないのが旅行を楽しむコツ
一般的に言えば、乾季の時期が旅行のハイシーズンとなりますが、雨季だからといって、観光が楽しめないわけではぜんぜんありません。雨季には雨季の楽しみ方がありますし、雨がやむまでは屋内スポットで雨宿りすればいいだけです。行く時期に合わせて準備をする必要は大切ですが、あまり心配をする必要はないといえるでしょう。