ホーチミンの中華街「チョロン」。観光の歩き方と見どころ

Top Image
Image 1
Image 2
Image 3
Image 4

ベトナム最大の経済都市ホーチミン。ホーチミンにはベトナム最大規模の中華街「チョロン」があります。プチパリと呼ばれる1区中心とはまるで違う、もう1つの顔を見せてくれるため、外国人旅行者に人気の観光エリアとなっています。

ここでは、この「チョロン」エリアについて、歴史や見どころなどをご案内いたします。是非観光の参考にしてみてください。

目次

    市民劇場(オペラハウス)からタクシーで20分

    チョロンの町の様子
    いたるところで売買が繰り広げられている

    ホーチミンの中華街「チョロン」まで向かう方法は主に2つあります。

    1つ目はローカルバスでの移動。ベンタイン市場前にあるバスターミナルから1番のバスに乗ると、その最終地点が「チョロン」の中心地にあるチョロンバスターミナルです。そこから歩いて5分程度で「ビンタイ市場」や「チャータム教会」に行くことができます。

    チョロンバスターミナル
    チョロンバスターミナル

    2つ目の方法はタクシー。1区の中心地から20〜30分くらいで到着します。タクシーの場合は、目的地をしっかりと告げなくてはなりません。おすすめの目的地は「ビンタイ市場」か「チョロンバスターミナル」。このあたりが、チョロン観光の中心地です。

    ホーチミンの中華街「チョロン」とは?

    チョロンにある商店
    小規模商店が並ぶ

    日本にも神戸や横浜などに中華街はありますが、それらとはちょっと雰囲気が違っている様子。雑多な町並みは混沌としていて、通り沿いは隙間なく個人商店や問屋が並んでいます。小汚いイメージもありますが、この独特のアジアンな空間が好き、という人も多くいます。

    チョロンの布市場
    チョロンの布市場

    チョロンが形成されたのは、18世紀の後半。ベトナムの中部に住んでいた華人たちが南部のホーチミンに流れ込んできたのがそのはじまり。全盛期には120万人以上の華人たちがここで暮していたとされています。

    その後は華人とベトナム人の間で人種的緊張が起こり、一時は10万人まで減少しましたが、その後再び華人がチョロンに戻ってきて、現在では50万人以上が暮しています。これはベトナムの中華街の中で最大です。

    チョロンのビンタイ市場周辺
    チョロンのビンタイ市場周辺

    「チョロン」という呼び方は通称で、住所表記に使われるような正式名称ではありません。「大きな市場」という意味を持った言葉です。その範囲は5区が中心となっていますが、ビンタイ市場は6区にあるので、「5区+6区の一部」といったところ。

    チョロンの町並み

    この「チョロン」には、1区でみかけるようなおしゃれな雑貨屋さんはほとんどありません。通り沿いにある店舗はいわゆる問屋で、市場も業者の人たちがメインの卸売りの場。たくさんのお店がところ狭しとひしめいている様子はまさにカオスです。

    チョロンの屋台
    ペットボトルに入った黒い飲料。こちらは漢方

    そのため、ショッピングというよりは、そのベトナム人と華人が共存するその独特の雰囲気を楽しむ場所です。旅行者にとって、それが新鮮な光景として目にうつることでしょう。ホーチミンの別の顔をみることができるため、人気の高い観光エリアとなっているのです。

    「チョロン」の見どころ

    チョロンのビンタイ市場周辺
    チョロンのビンタイ市場周辺

    「チョロン」の見どころは、下町香る町並みの散策と、中国寺院や市場の観光です。ベトナムの中に溶け込んでいる中国文化のローカルな雰囲気も魅力のひとつ。

    ビンタイ市場

    チョロンのビンタイ市場
    毎日込み合うビンタイ市場

    「チョロン」の名物市場は、ホーチミンで2番目に大きい「ビンタイ市場」。1区にあるベンタイン市場と名前が似ていますが別の市場です。タクシーなどで向かう場合は、口頭だけだと間違われてしまう可能性があるので、写真や地図などが必須です。

    ティエンハウ寺(天后宮)

    チョロンのティエンハウ寺
    チョロンのティエンハウ寺

    「ティエンハウ寺」は、福建省からベトナムに移り住んだ人たちによって、1760年に建立された道教の寺院です。ここには、航海安全の神さま「天后聖母」が祀られています。渦巻き状の線香に願いごとを書いた赤いお札をつけて、吊るしてもらうことも可能。

    チャータム教会

    チャータム教会
    中華の町中に建つチャータム教会

    また、フランス統治時代の1900年ごろに建てられたカトリック教会「チャータム教会」も見応えがあります。東洋と西洋の建築様式が入り混じったエキゾチックな魅力をたたえた魅力的な建築物で、この教会も「チョロン」を観光するさいの見どころといえるでしょう。
    >>ホーチミンのチョロンで西洋の香りを「チャータム教会」

    オンボン寺

    チョロンのオンボン寺
    西遊記の三蔵法師ご一行の様子

    オンボン寺はチャータム教会から徒歩15分程度にある寺院。ティエンハウ寺はよくツアーのセットになっていますが、オンボン寺は個人旅行者に人気。寺院内には西遊記の玄奘三蔵ご一行の様子が描かれていて、非常に興味深いものがあります。
    >>西遊記の絵画を見に行こう!「オンボン寺」

    半日観光でおすすめ!「チョロン」を歩こう!

    チョロンの町並みとお店の様子

    ホーチミンの中華街「チョロン」。その独特の雰囲気は、お洒落タウンのホーチミンのイメージを180度覆してくれるかも。ゆったりと観光すると、だいたい3時間くらいで一通り回ることができる規模。是非、ホーチミン観光の予定に組み込んでみてください。

    注意点としては、「チョロン」は1区に比べると治安が悪いこと。ひったくりなどの被害が多い地域でもあります。うしろからバイクでバッグやポーチなどをひったくるのが常套手段。大金は持ち歩かないことや、バッグをしっかりと身につけることなどの対策をしておきましょう。

    観光情報

    チョロン Cho Lon
    住所:Cho Lon. Dist.5. Ho Chi Minh
    アクセス:市民劇場からタクシーで20分

    Writer/この記事を書いた人

    著者の写真

    古川 悠紀
    トラベルライター

    FacebookInstagram

    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。