ホーチミンのチョロンで西洋の香りを「チャータム教会」

ベトナム最大の都市であるホーチミン市。高層ビルや近代的なショッピングセンターが建つなど、東南アジアを代表する商業都市です。ここからわずか西へ約5km離れたところに、ベトナム最大の中華街・チョロン地区があります。

チョロン地区で特に人気のある観光名所が「チャータム教会」です。華僑のローカルな暮らしが広がるエリアを奥に進むと、西洋風の建物が突如として現れます。空高くそびえる教会の佇まいは大変美しく、絶好のフォトスポットです。ここでは、歴史的にも大変価値のあるチャータム教会について、ご案内いたします。

市民劇場(オペラハウス)からタクシーで20分

チャータム教会の正門
チャータム教会の正門

ホーチミン市内からタクシーで約20分。チョロン観光の中心地となるチョロンバスターミナル、もしくはビンタイ市場から徒歩10分程度で行くことができます。

大通りに面しているのではなく、そこから細い道を入ったところにあります。ただし、遠くからでも見ることができるため、道に迷うこともないでしょう。

地図で確認

中華街の熱心なカトリックが通う「チャータム教会」

チャータム教会の敷地内にある像

チャータム教会の創建は1900年で、実に100年以上の歴史を持ちます。別名「フランシスコ・ザビエル教会」。かの有名な宣教師、フランシスコ・ザビエルからとったものと思われますが、その理由は不明だそうです。

チャータム教会は、チョロン地区の布問屋が密集するチャンフンダオ通りのつきあたりに位置。この地区一帯は中華街となっており、チョロン地区に住む熱心なカトリック教徒が定期的に訪れています。毎日5時半と17時半にミサを実施しており、土日には1日3~5回と行われる頻度が多くなります。

チャータム教会の内部
チャータム教会の内部

また、この教会はベトナム共和国(南ベトナム)時代を語るのに重要な場所でもあります。1963年11月2日、当時のベトナム政権へのクーデターが行われた時、ベトナム共和国の初代大統領であるゴ・ディン・ジエムがチャータム教会前で銃殺。ジエム大統領は熱心なカトリック教徒だったため、当初はここを選んで自殺したと伝えられていましたが、後に殺害されたことが分かりました。このような事件が起きた場所だとは想像できないほど、現在は穏やかな空気が流れています。

中国文化と西洋文化のミックスが随所に感じられる

チャータム教会の内部

中華街にあるチャータム教会は、中国文化と西洋文化が融合された珍しい教会です。まず、その敷地に入ると出迎えてくれるのが、中国式の噴水に立つマリア像。威厳のある瓦屋根と「AVE MARIA」の文字、そしておだやかにほほえむマリア像は、異文化が交わるチョロン地区を象徴するかのような存在です。

教会の入り口には漢字で「天主堂」と書かれており、これは「カトリック教会の礼拝堂」という意味。教会内部のキリスト像が飾られている両脇の柱にも漢文が。この教会が、中国から訪れたカトリック教徒の拠り所であったことを物語っています。その当時の記憶のまま、今も多くの華僑の信者が集まる場所として愛されています。

チャータム教会の最後の晩餐
チャータム教会の最後の晩餐

また、礼拝堂の天井に設置されたステンドグラス、キリストとマリアの像、「最後の晩餐」が描かれた絵画はいずれも神々しく、見る者の心を捉えて離しません。

中華の町中にある神聖なカトリック教会

チャータム教会に隣接している学校
チャータム教会に隣接している学校

熱心な華人のカトリック信者が通うチャータム教会。クリームと白の色合いにコンパクトな造りがかわいらしく、思わず写真におさめたくなるはず。幼稚園が併設されており、地域の人たちの憩いの場にもなっています。中国文化と西洋文化が交わる建造物は、どことなく長崎の浦賀を彷彿とさせます。

教会内は自由に見学可能。一歩足を踏み入れれば、にぎやかなチョロン地区の喧騒から離れた、静かな休息の時間をつくれそうです。さまざまな文化と歴史が交錯するチャータム教会は一見の価値あり!

観光情報

チャータム教会 Cha Tam Church
住所:25 Hoc Lac St.Dist.5. Ho Chi Minh
営業時間:6:00~18:00
アクセス:市民劇場からタクシーで20分