ホーチミンで最初にできた仏教寺院「覚林寺(ヤックラム寺)」

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ベトナムは国民の約70%が仏教徒であり、国内各地に15,000近くの寺院があるといわれています。飲食店や住居の入り口付近には小さな仏壇が置かれているところも多く、旧正月には大勢の人が寺院に参拝します。

そんなベトナムのホーチミン市で最も古い寺といわれるのが「覚林寺(ヤックラム寺)」。南部の熱心な仏教徒の聖地として、日中は参拝客で賑わっています。ここでは、覚林寺の概要と見どころをご案内いたします。

目次

    市民劇場(オペラハウス)からタクシーで40分

    ヤックラム寺の敷地内

    ホーチミン市の中心部からタクシーで40分。ベトナム最大級の中華街であるチョロン地区の北東に位置します。チョロン地区の中心地からは少し離れているため、同じ地区のビンタイ市場、チャータム教会など他の名所を巡るときは時間配分にご注意ください。

    地図で確認

    グエンチータン通りを直進し、レダイハン通りに右折します。右手にあるフート競技場を通りすぎ、十字路まで来たら右折。直進すると左手に覚林寺があります。

    300年以上の歴史を誇る!ホーチミン市最古の寺「覚林寺」

    ヤックラム寺の様子

    覚林寺(ヤックラム寺)は1744年創建。ホーチミン市内で最古といわれている仏教寺院です。読み方は「かくりんじ」で、ベトナム語では「ヤックラム寺」と呼ばれています。これまでに1955年、2007年と二回改築されていますが、建造当時の厳かな雰囲気は保たれたまま。境内はフランス、中国、さらにはインドの建築様式に影響を受けた跡も多数見られ、ベトナムの奥深い歴史の一遍に触れることができます。

    本堂の中
    本堂の中

    本堂の中は小さなあかりが照らしているだけで、昼間でも静かな空気が漂っています。また、歴史的に価値の高い調度品が置かれていることも特徴のひとつ。一本木のテーブルは200年以上前、大理石の椅子はなんと400年前のものだとか。18本の手がある観音像、木彫りの僧の像、歴代の僧侶たちの肖像画など、美術館さながらの貴重な品々を鑑賞することが可能です。

    ご本尊の仏像は、小さな金の彫像がずらりと並ぶ奥に鎮座。このご本尊を拝みに、次々と参拝客が入れ代わり立ち代わり訪れます。ご本尊の周囲には金の装飾が施され、ここ一帯だけが特別な空間であることを示しています。

    一番の名所は、ホーチミン市内全体を見渡せる七重の塔

    ヤックラム寺の大仏

    覚林寺の境内でひときわ存在感を放っている七重の塔。黄色の壁面に赤の柱で構成され、そして赤と緑で彩られた屋根が各階に施されています。この塔は内部に入って、階段で上まで登れます。各階に大きな仏像や観音像が鎮座しているのも見どころのひとつ。階が上になるごとに、少しずつ面積が狭まってきます。

    七重の塔に入れる

    最上階である7階からはホーチミン市内を一望できます。ぎっしり詰まった小さな住宅が並ぶ様は圧巻!遠くのビル群との対比もおもしろく、ホーチミン市に住む人々の様子を町並みからも想像できます。都市部のスカイバーから眺めるのとはまた違った景色は、良い旅の思い出となるに違いありません。

    ベトナムらしい下町風景も楽しんで!ちょっと遠いが行く価値はある!

    公園が隣接している

    ベトナム仏教徒の聖地「覚林寺」は、歴史的に価値のある調度品と建物からなる神聖な寺です。旧正月のシーズンには、近隣の住民も含め多くの参拝客で賑わいます。タイミングがあえば、1日4回行われる僧侶の読経を見学できることも。

    また、境内は木々が生い茂り、街の喧騒から離れた静かな空間が広がります。寺院周辺は下町情緒溢れるのどかな町風景が広がっているので、寺院見学後の散策も是非。にぎやかなホーチミン市内から離れた、一味違う観光を楽しみたい方にうってつけの観光スポットです。

    観光情報

    覚林寺(ヤックラム寺) Chua Giac Lam
    住所:118 Lac Long St. Dist.Tan Binh. Ho Chi Minh
    営業時間:6:00~12:00 / 14:00~20:00
    アクセス:市民劇場からタクシーで40分

    Writer/この記事を書いた人

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    古川 悠紀
    トラベルライター

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    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとして東南アジア各国を周遊・居住し旅行生活経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。