カンボジア・シェムリアップ旅行で注意したい感染症・病気
年間を通して高温多湿な東南アジアのカンボジア。カンボジアといえば世界遺産のアンコールワットがあるシェムリアップという都市が最大の観光地です。日本人も多くの旅行者が訪れますが、シェムリアップには普段日本で生活していれば心配のないような感染症や病気が存在しています。
そこで、ここではシェムリアップ旅行で気を付けたい感染症と病気をご案内いたします。
1.ウィルス性胃腸炎/A型肝炎/寄生虫
これらの病気は、摂取した水や食べ物から感染します。気になる人は歯磨きやうがいをするときミネラルウォーターを使ったり、食堂やレストランなどでは、氷や生野菜を口に入れることを避けるなどの対策をしておきましょう。
「ウィルス性胃腸炎」は、腹痛や下痢などの症状がおこります。感染したさいには脱水症状にならないように、しっかりと水分補給をしておきましょう。数日で回復することが多く、命の危険性はない病気です。
「A型肝炎」は、ウィルスに感染して2〜7週間の潜伏期間のあと、発熱や身体のだるさ、食欲不振などがみられる病気。その数日後には黄疸が現れます。予防接種で防ぐことができきます。
シェムリアップに存在する「寄生虫」は、アメーバ赤痢やジアルジア症など。発熱することは少なく、血便や下痢、腹痛などが主な症状。もし感染していたら、抗寄生虫薬の服用が必要です。症状がなくとも感染したか不安がある方は、薬局で虫下しの薬を買って、カンボジアから帰国したのちに飲むといいでしょう。
B型肝炎/HIV(エイズ)
B型肝炎とHIVは性感染症と呼ばれるもの。おもに血液や体液から感染します。注射針の使い回し、輸血などによって感染することもあります。熱やリンパ節の腫れなどの症状がでた場合、心当たりがあるのなら、速やかに専門医に受診しましょう。
「B型肝炎」は、ウィルスが増殖し続けると症状が慢性化して、肝硬変や肝ガンの発症率があがります。「HIV」はカンボジア政府が撲滅に力を入れている感染症のひとつ。カンボジアの人口の4〜5%が感染者と考えられていて、性風俗関連の女性の陽性率は50%を超えるともいわれています。ちなみにB型肝炎は性行為以外にも血液が付着した注射針の使い回しによっても病気にかかる可能性があります。
破傷風
「破傷風」は、道の土などの破傷風菌が傷口から体内に入ることで感染する病気。とくに動物のフンなどで汚染された土が危険といわれていて、最悪の場合、死に至る可能性すらあります。
破傷風というと田舎道や農村のあぜ道を避ける程度と思われていますが、シェムリアップは都心であっても舗装されていない道路が多いので、一般的な市内観光であっても安全とは言えません。
狂犬病
「狂犬病」は、速やかに適切な対処をしなければ、死亡率がほぼ100%といわれているとても危険な感染症。犬や猿、コウモリなどの哺乳類にかまれることで発症します。噛まれた部位によって潜伏期間は異なり、頭部から遠いほど発症が遅れるとされている病気。予防接種が可能ですが、噛まれた時には別途でワクチン摂取が必要です。
デング熱/マラリア/日本脳炎
これらは蚊が媒介となる感染症です。最大の予防は蚊にさされないようにすること。短期間の旅行者であっても、長袖・長ズボンなどの露出を控えた服装を選んだほうがよいでしょう。虫除けスプレーなども効果的。
「デング熱」は、シェムリアップを含む都市部でも発生していて、蚊が発生しやすい雨季には感染者が増加します。通常の場合、ウィルスを持った蚊に刺されて5日前後で、高熱・頭痛・関節痛などの症状が発症。基本的な治療法は安静と解熱という対症療法。通常は1週間程度で回復します。
「マラリア」は、マラリア原虫を持つ蚊に刺されることで感染する病気。主として森林地帯で発生している病気で、シェムリアップ市内では感染することはほとんどありません。けれども、田舎などに行く予定がある場合は注意が必要。潜伏期間は約1〜2週間くらい。突然、高熱になります。放置しておくと命にも関わる危険な病気です。
「日本脳炎」に感染すると、1〜2週間くらいの潜伏期間のあと、38度以上の高熱と頭痛が数日間つづきます。そのあと、神経系の障がいや筋肉硬直などの症状も。脳細胞が破壊される病気のため、回復しても重度の障がいが残るケースが多い危険な病気です。事前の予防接種が可能。
万全の対策で不安のないカンボジア旅行を
カンボジアやシェムリアップを旅行するさいは、東南アジア特有の感染症ウイルスや病気に気を付けなければなりません。飲食物から感染するものや、蚊を媒介とするものなど、注意が必要なケースを旅の前に知っておくことが大切です。しっかりと対策しておけば必要以上に怖がることもありませんので、安全で健康なシェムリアップ旅行を楽しんでください。