樹齢300年の大樹と記念撮影!シェムリアップの遺跡「タプローム」

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数多くのすばらしい遺跡を擁するカンボジアのシェムリアップ。市内及び郊外には数十のクメールの遺産が散らばっていますが、短期旅行でこれらをすべて回るのはまず不可能です。

そこで、幾つか絶対に行きたい遺跡を調べておく必要がありますが、数ある遺跡の中でもおすすめしたいのが、今回ご案内する「タプローム」です。クメール王朝最盛期の王がつくりあげたこの寺院は、荒廃しながらも自然と共存して、今でも神秘的な雰囲気を醸しだしています。ここでは、この「タプローム寺院」の魅力をご案内いたします。

目次

    パブストリートからトゥクトゥクで20分

    タプロームの入口

    「タプローム寺院」は、アンコールトムの東にあり距離が近いので、ツアーによく組み込まれています。パブストリートやオールドマーケットからトゥクトゥクに乗っておよそ20分程度で行くことができます。こちらも世界遺産のアンコール遺跡群なので、専用のパスチケットが必要です。

    王朝の栄華と没落をしのばせる「タプローム寺院」

    タプロームの祠堂

    「アプローム寺院」は、アンコールトムの東部に位置する世界遺産の遺跡のひとつ。クメール王朝最盛期の王であるジャヤヴァルマン7世が王位について、最初に手がけた寺院。建立の目的は母親の菩提を弔うためだったのだとか。

    碑文によると、大乗仏教の僧院として建てられたとのこと。当時は、この寺院のなかに数多くの僧侶が暮していたようです。ここには当時、50を超える塔があったそうが、長い間、ジャングルのなかで放置されていたため、現在ではそのほとんどが倒壊しています。

    タプロームの様子

    この寺院の特徴は、平地型のバイヨン様式であること。東西1km、南北600mの壁に囲まれた広大な敷地に3重の回廊。その回廊によって、塔や塔門、小祠堂といった建物が複雑につながっています。建物の一面には精密な彫刻が施されていて見ごたえもばっちりです。

    この寺院はほとんど修復はされておらず、発見当時の姿のまま保存されています。現在でも、自然と遺跡の共存を目指して、損壊している部分をそのままにしておく方針なのだとか。王朝の栄華とその没落など、見るものにさまざまな感慨をあたえてくれる遺跡です。

    自然と共存した、冒険心が掻き立てられる遺跡

    タプロームのレリーフ

    「タプローム寺院」は、ガジュマルやカポックなどのジャングルの木々に侵食された建造物。木の根が、まるで滝のように垂れ下がっている外壁がとても印象的で一度みたら忘れられません。訪れた人は、まるで小説や映画のなかのような場所だと思うことでしょう。

    タプロームの樹木
    ガジュマルによる浸食が激しい

    12世紀に建造されたこの建物は、まるでファンタジーの世界のなかにいるような神秘的な雰囲気をたたえています。実際、この「タプローム寺院」は、2011年製作の映画『トゥーム・レイダー』の撮影地として使用されました。それも納得の魅力的な観光スポットです。

    タプロームのガジュマル

    そのなかでも、一般の観光客だけでなく、考古学者の興味をもひきつけているのが、まるでステゴザウルスのようにみえる動物のレリーフ。現在考えられている説よりも、恐竜がながい期間生きていたことを証明するものだと考える学者もいるのだとか。

    タプロームのレリーフ
    普通に歩いていたら気づかないレリーフもある

    この「タプローム寺院」は、多くのすばらしい遺跡を擁するアンコール遺跡群でも、とりわけ冒険心を掻き立てられる遺跡だということができるでしょう。

    古代の歴史と力強い自然を見学!「タプローム」に行こう

    タプロームの様子

    タプロームの敷地をすべてを見て回ると2時間くらいかかるほど大規模な遺跡で、見ごたえも抜群です。

    おすすめの時間帯は、比較的観光客の少ない早朝。午後になると混雑しはじめるので、写真撮影もままならなくなります。アンコール遺跡群の中でもアンコールワットとトムに次ぐ優先度の高いおすすめ観光スポットです。

    観光情報

    タプローム Ta Prohm
    住所:Angkor Archaeological Park. Krong Siem Reap
    営業時間:7:30~17:30

    Writer/この記事を書いた人

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    古川 悠紀
    トラベルライター

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    大学卒業後、日本で販売店営業、外資(米国)メーカー勤務を経て2011年にベトナムのホーチミンに移住。トラベルライターとしてベトナムを中心に東南アジアの旅行・生活・経済の記事を請け負う。実績にAll About、阪急交通社、自著「ベトナムとビジネスをするための鉄則 55」、寄稿「トリコガイドベトナム(アルク出版)」、「複住スタイル(英和出版)」、下川裕治著/編に記事の寄稿等がある。